『となりのトトロ』の世界は、子供の無防備な好奇心を全面的に .. >(続きを読む)
『となりのトトロ』の世界は、子供の無防備な好奇心を全面的に受け入れる世界である。この世界の子供は恐怖心を持っていない。▼しかし、「本当は恐いグリム童話」などといって、童話とは本来恐いものだ。それによって現実の世界の恐ろしさと自分の身を守ることを子供に教える。その意味で『となりのトトロ』は童話の役割を果たしていない。▼子供がむげにこの童話を信じて、現実を生きようとすれば途端に命の危険に見舞われる恐れがある。この映画は、子供時代を懐かしみたい大人向けの作品として見るべきだろう。▼作品としては、メイのかわいさがこの映画の魅力だ。▼しかし、どうして吹き替えに素人の糸井重里を使うのか。声が張れていない。おかげで作品の完成度が損なわれしてしまっている。