こんなに古い映画でワシ的には知名度の低い作品がDVDにまでな .. >(続きを読む)[良:1票]
こんなに古い映画でワシ的には知名度の低い作品がDVDにまでなっている??きっと何かあるに違いない!と思ってピックアップしてみた。ちょうどこの時代はハリウッドにとって経営難の時代のはず。「え?そんな時代があったの?」っと思う若い世代の方もいると思う。テレビがどの家庭にもあり、映画館に足を運ばなくなった時代である。スタジオ側はさまざまな試みをした。【ワイド・スクリーン】【立体音響】など当時テレビでは不可能な技術を見せつけて客寄せに必死になっていた時代で、そんな時期に今回の映画は製作されている。[ベン・ハー] [ドクトル・ジバゴ] [クレオパトラ] [アラビアのロレンス]などの大型映画はそれなりに成功したが、観客はあまりにも自分の人生とかけ離れた夢物語に飽きてきた時期でもあり、スタジオ側も客離れ復帰に疲れてきた頃。1969年に製作された[イージー・ライダー]はそんな中で生まれた。何の飾りっけも無い等身大の主人公に観客は魅了された。アメリカン・ニューシネマの金字塔である。1962年から始まったベトナム戦争、68年のキング牧師暗殺、ケネディの弟ロバートの暗殺など壁にぶち当たりまくっていたアメリカ。そんな激動の時代とシンクロして沈んでいくハリウッド界に位置する今回の映画はさまざまな意味で見る価値はあった。ミシシッピーで黒人と白人といえば今でも映画になる素材はたくさんあるが、この時代にさらりと白人をアホ扱いしていて面白かった。公民権法が制定された直後の作品であることも覚えておかないといけない。アホ扱いといってもどちらの人種にも気を配った脚本で、人種問題を前面に出してはいない。どちらかというとテーマは別にあり、肌の色を超えた友情のようなものを感じ、観ていて清々しかった。まあ、人種問題があるから友情が映えて見えるのかもしれないが。主役のシドニー・ポワチエは59年の[ベン・ハー]ではキリストの十字架を一緒に背負う役を友情出演?したり、63年度のアカデミーで黒人は初の最優秀主演男優賞を得ている。近年の作品[ジャッカル]でも渋い演技を見せている。この映画でも素晴らしい演技を見せている。今で言うとデンゼル・ワシントンのような貴重な黒人俳優だったことが分かる。当時のポワチエが出演している他の映画を探したくなるほど魅力的な俳優である。[評決のとき] や [ミシシッピー・バーニング] のような作品も面白いが、こんなミシシッピーものもあるんだなぁっといった感じ。ちなみにこの作品は作品賞、主演男優賞、脚色賞、音響賞、編集賞でオスカーを取っている。[良:1票]