センスのよさが光る秀作です。本当にどうしようもない男の主人公 .. >(続きを読む)
センスのよさが光る秀作です。本当にどうしようもない男の主人公がようやく恋愛の時計をひと回りしてたどり着いた結論、「その女性がしわしわの綿の下着を干しているところを見ても平気になれたときが結婚を決意できるとき」は1つの真理ですね。洋楽ネタも秀逸でS・ワンダーの「心の愛」をコケにしながらエンディングで「アイ・ビリーブ」を使ってきちんとフォローするところや、映画の中で歌われるP・フランプトンの“Baby、I love your way”のカバーは最高です。「若い頃この曲大嫌いだったけど、なんか今聴くといい曲だよな」には笑えます。確かに。この映画を見たあと無性にコンピしたくなりました。人の価値はWhat you are likeでなく、What you likeで決まる。これもある意味至言ですね。何の趣味も好みもない人ってつまんないですから。キューザックの独白には額面どおりに受け取ってはいけない言葉の裏に真理の一面が隠されている、かなり作り手の意図が深い作品です。