狼少年にならざるを得なかった主人公の悲しさと虚像をディカプリ .. >(続きを読む)
狼少年にならざるを得なかった主人公の悲しさと虚像をディカプリオが好演しています。子供の心のまま虚構の世界で甘えることに安心感と自分の存在を得ようとする幼さと脆さ。そこには善悪の判断はない。自分を守るために必死なのだ。映画前半、突然崩れ始める安住の世界、そこから走り出す姿は現実逃避であり向かう先は虚構の世界である。そこは彼にとって安住の世界=家庭、の代わりであることが悲しい。父親は現実と虚構をつなぐ心のよりどころか。いや、彼が走り始めたときに両親は追わなかったのだ、追えなかったのだ。追いかけたのは唯一の現実、トム・ハンクス。現実が虚構に追いついたとき彼はようやく自分の居場所に落ち着けたのだろう。父を母を現実として受けいれたのだろう。