「私は、妻の身体よりも、ランボーの才能に欲情した」という公開 .. >(続きを読む)
「私は、妻の身体よりも、ランボーの才能に欲情した」という公開前の煽り文句に比して、肝心の詩篇があまり出てこなかったことが、不満といえば不満。っつうか、ランボーとヴェルレーヌの同性愛関係が主題である。人間関係の縺れ、確執、激情と曖昧さは、女性の監督ならではの繊細さで描かれている。何より、濡れ場の映像美は、ヨーロッパ映画の意地を見たような気がする。かつてヴィスコンティが、当時のヘルムート・バーガーで「ルードヴィヒ~神々の黄昏」を撮ったが、この作品もまた、この当時のレオナルド・ディカプリオあってのフィルムだ。ランボーの紙一重の天才性を見事に演じているディカプリオが、とにかく美しい。ただ、鑑賞前にランボーとヴェルレーヌの予備知識がないと、冒頭のテロップだけじゃ辛いなぁと思ったところが難点。