フェニミズムが台頭してきた70年代半ばから末期は、それまでの .. >(続きを読む)[良:1票]
フェニミズムが台頭してきた70年代半ばから末期は、それまでのアメリカ映画における女性の扱い方が大きく変化した時期だが、この映画はその大きな転機となった、記念すべき作品。女性の自立、男性文化・社会への挑戦を試みた点と、主演のバースティンが当時40歳を過ぎた中年女性であったということは、忘れてはならないと思う。監督のスコセッシを指名し、配役にも決定権を持ち、クルーも女性を揃えたバースティンの意欲は評価できるが、内容としては妥協的なのだ。勿論、女性ドラマとして十分堪能できるし、ウェイトレス仲間のダイアン・ラッドとの掛け合いも楽しい。しかし、結果的に彼女は、新しい恋人クリス・クリストファーソンに頼ることによって、経済的・精神的な安定を手に入れるかのように見える。これをフェニミズム映画と呼ぶことはできない。本当の転換は77年に起ったように思うからだ。この年には優れた女性映画が多数製作された。「愛と喝采の日々」「グッバイガール」「アニー・ホール」等など。未見の方は、こちらの映画もあわせてご覧あれ。「結婚しない女」(79)もお薦めです[良:1票]