(ネタばれ有り)前半はエリカが人造人間みたいに無表情だし、ワ .. >(続きを読む)
(ネタばれ有り)前半はエリカが人造人間みたいに無表情だし、ワルターの行動も唐突過ぎて説得力に欠けていたが、後半になってやっとおもしろくなった、という感じ。エリカの姿は自虐の極地で、痛々しすぎる。ワルターにあんな手紙を見せたのも、本当の自分を受け容れてほしかったからではなかろうか。相手の気を引くために、物置で体を投げ出すシーンは、悲惨で目も当てられなかった。ワルターが冷酷に見えたのは私だけだろうか。相手がおかしい、と気付いたら、優しく説得するとか、理解してあげるふりするとか、何か別の反応があってもいいような気がする。いったい何が目当てでエリカにつきまとっていたのか、イマイチわからなかった。トイレのシーンでは、エリカと同じくらい異常に見えた。ラストシーンは、自分をうまく表現できずに、思わず自分を傷つけてしまう女性の悲しみがよく表現されていたと思う。抑圧が強すぎて常軌を逸してしまったエリカと、エゴイスティックなワルターの組み合わせが、何とも気の滅入る物語だった。それにしてもエリカ役の人、老けたな。チミノ監督「天国の門」では、あんなに美人だったのに。マジメルは「王は踊る」でも、ホモセクシャルを罵倒する王様役だった。よっぽど無神経な正常人の役が似合っているんだろう。マジメルは大好きだが、あの役は大嫌いだ。もうちょっと出演する映画を選んでほしい。