無時間的に繰り返される、ドタバタコメディーが「うる星やつら」 .. >(続きを読む)
無時間的に繰り返される、ドタバタコメディーが「うる星やつら」の本質。作品冒頭の永遠に繰り返す学園祭前日という設定が見事にそれを表している(学園祭しかも、その前日の持つ祝祭的な感じが)。そんな状況の中での、温泉のさくらさんへの告白は、作品そのもの、ひいては温泉自身を根底から覆す毒を持った刃で、その鋭さは評価できる。しかしルパン三世の企画が通らなかった様に、この種の押井さんの作品自体もしくはキャラ自体がよって立つ構造をズラそうとする、この頃の試みは失敗している。本作でも彼自身の映像感覚と原作自体の古典的な力に負けてしまった感じ。でも完成度はぴか一。