まぎれもない恐怖映画の傑作だ。映像の、スクリーンのいたる所に .. >(続きを読む)
まぎれもない恐怖映画の傑作だ。映像の、スクリーンのいたる所に、禍々しいほどに凶暴なモノが潜んでいる。この映画の怖いところは、全てのシーンが同じトーンで描かれている点である。平凡なホラー映画なら、ここぞとばかりに過剰な演出をしてくるであろうシーンがいくつもあるのだが、黒沢清はどこまでも抑えた演出、引きのショットで描き続ける。潔ささえ感じさせるその態度は、最早見事としか言いようがない。 「禍々しいほどに凶暴なモノ」=「恐怖」