What a motherfucking day! この映画 .. >(続きを読む)
What a motherfucking day! この映画では何故か重要なシーンがカットされている。新米だった頃のアロンゾの最初の挫折、自分の正義感に疑問が生じ始めるエピソード。このシーンはその後の彼の言動に説得力を持たせてくれる。ジャングルに入って行くシーンではアロンゾの話から彼が新人時代にここで色々学んだ事が判り、その後の彼の言動と最後の住民達とのシーンに深味を与えてくれる。凄惨な殺人事件の現場検証が背景として何気ない日常の様に撮られ、路面に流れ出た生々しい血が恐ろしいジャングルの雰囲気を醸成する。(本編ではジャングルの恐怖がいまいち伝わらない。鳩なんか撮ってる場合じゃ無いだろう。)これらのシーンは主にテンポアップの為カットされたらしいが、ストーリーに説得力を持たせる為にはこういうシーンが絶対に必要だ。おそらく監督自身が精通している環境なんだろう。自分が判るので誰でも判ると思っている。大間違いだ。納得出来ないカットの為どうしても本編でのアロンゾの台詞から空虚感、コケオドシ感が拭えない。今一つ説得力が無い。尤もこれらのシーンが追加されたとしてもこの映画の持つ重大な欠点が無くなるわけではない。第一に何故アロンゾはあんなに早急にジェイクを仲間に引き込まなければならなかったかが、全く触れられていない。もっと様子を見てチャンスを伺ってから仲間にすればいい.。別にまずい所を見られたわけでもなく、すぐに仲間にしなければならない理由はどこにも見当たらない。又アロンゾがジェイクのどこに魅力を感じたのかが良く理解出来ない。ジェイクはただの真面目な融通のきかない警官に過ぎず、現実に柔軟に対応できるタイプとも思えない。規則や固定観念の呪縛から彼を解き放つにはもっと数多くの矛盾に満ちた現実との対面と、何よりも時間が必要がだろう。その事はアロンゾ自信が良く知っている筈だ。だがアロンゾは言う。「いい目をしている」どこが?残念だが全く説得力がない。第二にアロンゾがジェイク殺しを依頼する場面が描かれていないのでアロンゾの恐ろしさや悪の部分があまり伝わらず、次の場面での二人の対決、クライマックスに100%感情移入出来ない。大体アロンゾはジェイクが助けた少女の従兄を知っていた筈でジェイクを殺す気が本当にあったかどうかさえ疑わしいし、見方を変えればジェイクの教育の為の試練とも見られなくは無い。そのため最後までアロンゾの悪人振りが際立たず、正義の見方ジェイクにいまいち感情移入出来ない。功績も実績も充分にあり、酸いも甘いも噛み分けた優秀な麻薬捜査官アロンゾ。確かに行き過ぎの所はあるが罪もない一般市民を傷つけたわけでは無い。盗んだ金もどうせ麻薬で稼いだに決まっている。そして何よりも麻薬捜査には彼の様なベテランが絶対に必要だ。金なんかくれてやればいいじゃないか。誰にでも間違いはあるし困った時はお互い様だ。ジェイクはきっと優秀な麻薬捜査官にはなれないだろう。最後に一体この作品のどこに一日の出来事にする必然性があったのだろうか?リアリティを損なうだけでなんの効果も感じられない。【妻にマイケル・ジョーダンとベッカムが共演してるから一緒に見ようと言って見始めたが、案の定途中で寝てしまった。この映画が面白くないからでは無い。どんな名作でも夜九時を過ぎれば彼女はこうなのだ。(ナルコレプシー?ではない)恐るべし!】