最高級の政治映画。つい最近のイラク戦争の「ジェシカ・リンチ救 .. >(続きを読む)
最高級の政治映画。つい最近のイラク戦争の「ジェシカ・リンチ救出作戦」はこの映画とあまりにも似ている。イラク戦争の初期には、戦局は停滞気味で、砂嵐に足止めされたり、補給線がのびきったりと、米軍の“見せ場”が少なかった。そこに、ペンタゴンとこの映画でデニーロが演じているような、スピン・ドクターが、急遽、「女性2等兵ジェシカ救出作戦」を演出し、「戦場のヒーロー」を作り上げた。この映画の中で演出される、この映画内の「古靴」のエピソードとことなり、ジェシカ救出劇の方は、あまりにもズサンだったため、6月中旬の現在、米国内のマスコミで追求されてしまっている。この映画自体は、クリントンを思わせる、米大統領のセックススキャンダルから、世論をそらし、大統領を再選に持ち込むために、米政府から雇われた、スピン・ドクター(デ・ニーロ)とその知り合いの、ハリウッド映画のプロデューサーが、アルバニアとの戦争をでっち上げるというもの。その中では、イラクの大量破壊兵器やアルカイダのテロリストを先取りさせたような、テロリストのカナダ国境越えのエピソードとか、前に触れた、アルバニア帰還兵(実は精神異常者)の、「古靴」シューマン軍曹のエピソードもある。カナダ国境を守れというキャンペーンソングまで登場するあたりが、制作者側の悪のりを感じさせて実に面白い。