1.Netflixで全世界全話同時公開されたこの作品は「デビルマン」を湯浅政明が独自の解釈で再構築したアニメである。
Netflixという媒体において作られた事でエロやグロ表現に関してはかなり刺激度の高い印象だが、この作品の本質はそこではなく、「デビルマン」を現代の設定に置き換えて作ったという点にあるのではないか。
現代が舞台という事で、当然ネットがかなり活用されている。9話ではSNSを使って世界中の人々に悪魔の存在を問うという展開があった。それによって爆発的に悪魔を排除しようとする人間達の動きが広まり、暴徒と化していく様子が恐ろしく描かれていた。
湯浅監督のいつもの優しいタッチの絵が狂気に変わった時、日常が非日常へと転ずる恐怖を巧く表していたと思う。
「crybaby(泣き虫)」というタイトルが表すように、常に泣きながら戦うデビルマンがいたたまれなくて見ていられなかった。悲しくも切ない物語。