1.《ネタバレ》 天野こずえ原作と佐藤順一監督との相性の良さは、前作「ARIA」で実証済み。音楽は「快適さと多弁さを融合させたインストゥルメンタル・サウンド」で定評のある、ゴンチチ。
この方程式から導き出される回答は「ただひたすら心地よく人懐っこい」アニメであり、短い(故にか)ながらも、完成度高い。他の追随を許さない人懐っこさ故に(真の陰キャ勢には)敬遠されることもあるが、ここはご愛嬌だろう。
ファーストシーズンということで、原作の中でも「スキューバやろうぜ?わくわくキラキラすんぜ?」的なパートをアニメに興した感じ。「ARIA」と比べるとファンタジー色は薄く、学園生活や部活のキラキラが色濃く描かれている。
鑑賞中は気恥ずかしさと羨望が胸中からダダ溢れ、思わず「恥ずかしいこと言うの禁止だコノヤロウ」と照れることこの上ないの私なのだが、決して嫌な気分にはならない。
ぴかりの真っ直ぐな爛漫さや、てこの振り絞るような賢明さ(と、デコ広と眉の薄さ)を、ひたすら愛でていたくなるアニメである。
砂浜に立つてこの足元を波が這うオープニングは、テレビアニメ史上例を見ない美しさ。ゆえに、オープニングが飛ばせない私だ。