1.被虐史観を否定したり、それがあらゆる対象に対する被害者意識につながる危うさを指摘するのは、渡辺昇一の焼きましにすぎないが、マンガにしたということに意味があるのだろう(渡部昇一のマンガ昭和史でも読んでれば良いと思うが)。また、市井の戦争参加者やそのプライドにスポットを当てるのは、彼らの歪んだトラウマを癒す意味はあるのかもしれない。しかし、「戦争の中で愛と勇気が試され、自己犠牲の感動が生まれ、誇りの尊さを思い知ることもある」とまで言うのは、噴飯モノで、それこそ単なる「ウヨク」じゃないか。われわれが先の戦争によって、いきすぎた国家統制というものによって、人間が虫けらのように、まったく意味もなく殺されていくということに学ぼうともしない意識は残念だ。小林自身は、どうでも良いのだが、これに共感する輩が多いのには、残念。 もう少し、歴史に学ぶ姿勢をもたないといけない。被虐史観は間違っているのは確かだが、「大東亜戦争」のほうが徹底的に間違っており、そのことを直視できないのは、知性の欠如である。もう少し、眼をこすって、顔でも洗って、出直してきてほしいものである。 あ、別に出直してこなくて良いか。