4.《ネタバレ》 これを20代で描いたということからも永井豪の凄さが伺える。 中盤まではホラー色があ強めの漫画と言った印象だが、終盤からラストまでの展開が凄い(良い意味で)。 最初は元気一杯なヒロインや自分を犠牲にして(正確にはちょっと違いますが)デビルマンに『戦って』と懇願する少女達を筆頭に人間サイドには善人が多く描かれ悪魔のエグさをこれでもかと見せつけますが、後半『悪魔は人間に憑依する』と言う事実を知り魔女狩りの如く『悪魔狩り』を始めた人間の狂気は作者の画力も相まって悪魔以上の醜さ(むしろ悪魔の方が優しく見える)を表現しています。 悪魔に憑依された自分を信じてくれた人々が、守るべき人間に殺された時に主人公が叫ぶ。『これが!これが!おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!』私が見た中でも屈指の名シーンです。そして、唯一残っている彼の『守るべき人間』すら殺され(これを当時よく少年誌でできたなと感心)ながらも悪魔と戦うデビルマン。 人類は滅亡しラスト数ページは哀愁や虚無感と言った美しさ感じれました。これがあるおかげで数々のトラウマ級のシーンが存在する本作の印象が良い意味でだいぶ変わります。劇場エヴァ(旧作、個人的トラウマ)もラストこんな感じにすれば救われたかな? 正に漫画界屈指の名作。実写映画作ったスタッフは全員自分たちの行いを恥じ、二度と映像作品に参加すべきではない!!! 【ムラン】さん 10点 [全巻 読破](2010-03-06 07:49:38) |
3.《ネタバレ》 今更ですが、これは日本漫画史に燦然と輝く傑作でしょう。 あの時代だから描けた作品なのかも知れません。 勿論、現代の漫画にも素晴らしい作品が多いが、あの時代の漫画のパワーは桁違いに凄まじい。 色々な文献等にインスパイアされたのでしょうが、永井豪という一人間の想像力・発想力にも敬服します。 あれだけ超巨大に拡げた風呂敷を、見事に閉じた(閉じちゃった?)事に驚きです。 独自の悪魔論、飛鳥了の正体、シレーヌ&カイムの気高さ、人間の狂気、最終決戦・・ 語りたい事は書き出せばきりが無い。特に、飛鳥了が自らの行動に疑問を持ってからの急展開が素晴らしい。 シレーヌ編で終了してしまった高品質OAVを是非とも完結させて欲しい。 【夜光華】さん 10点 [全巻 読破](2009-10-29 16:55:02) |
2.初めて読んだのは小学校低学年のときだった。マガジンを毎週買っているいとこのところでジンメン~シレーヌ編を読んだ。帰りの車の中で恐くて震えたのを覚えている。トラウマになるような衝撃を受けた。そのときに後半を読まなくて本当に良かった。仮に読んでいたら私もタレちゃんになっていたはずである。 【あげどん】さん 10点 [全巻 読破](2009-06-18 12:39:24) |
1.作者自身が言ってるように行き当たりばったりで描いたというだけ有って、後半部分では、若干つじつまが合わない部分も有るが、ある意味よく言う何かか降りてきて・・・って状態になって生まれた作品という感じがする。個人的にはやはり、永井豪の最高傑作だと思うし、日本漫画においてもやはり代表的作品だと感じる。皆さんが言ってるほど個人的には暗くは感じず、特にエンディングは叙情的な余韻や美しさを感じずにはいられない。さて、この作品のジャンルは・・・といったところ、私は実は人類を超えた恋愛愛憎劇だと思っている(笑)『アモンとシレーヌ』『明とミキ』そして『人間不動明と堕天使サタン(ルシファ)』の愛憎劇であり、やがてそれが人類を終局に至らす戦いに発展したと言える。 |