1.登場するボクサーたちには人生や魂や命を懸けてでも闘う理由があった。そんな彼らを取り巻くボクサーでは無い市井人たちも、それぞれの立場で闘っていた。登場人物みんなが血の通った情のある人間だった。熱く深くて、でも爽やかな群像劇だった。でもそんなこんなは過去の話。今は情けない話、冷めている話、鬱屈した迷走劇に成り果てた様子。作者が、自分が生み出したキャラクターを意味無く嘲笑して虐待するのはアイデア枯渇で作品が終焉しても良い頃合のサイン。商業的理由で終わらせてくれないかも知れないが、情熱とやる気の無い作品の継続は読者と作者の心を荒ませるだけ。かつてのファンとして終了の決断を望む、過去のクオリティだけは名作と呼べる漫画。