2.《ネタバレ》 「ドーベルマン刑事」の人気は武論尊原作の実績だと思われていた現状を、どうにかして覆そうとして描きあげた平松伸二の代表作「ブラックエンジェルズ」。
設定のベタさと勧善懲悪であるというジャンプっぽさや、主人公「雪籐」のミステリアス感や、ほかのキャラクター群のケレン味等も手伝ってソコソコ楽しめる。
不良中学生が孤独な老婆を虐待・撲殺する物語や、覚醒剤欲しさに通り魔強盗を繰り返す悲運な女の子、等、全体的に血生臭い話が多く、ついにはヒロイン的存在のジュディが敵の中ボスにレイプされてしまう!そんなハプニングすらも起ってしまう「少年漫画のカテゴリ」をゴリゴリ無視していく展開も、(破綻するかと思わせるほどに)面白かった。
しかし、「M計画」発動後のストーリーは完全に蛇足。少年ジャンプ的な稚拙な延命作戦のせいでか、凡作に成り下がった。そういう「ジャンプ政策の徒花」的な代表作とも、言える。