2.実は寄生獣の評価、あんまり高くありません。
哲学的な内容展開をしていた割には、言っていることがイマイチぶれ気味。個の問題・環境の問題・政治の問題、その場その場で扱うテーマが風見鶏のように変化していく割には、どこにも着地点がなかったりする。「問題提起が多い割には、考えながら読むのに不向き」と評させてもらおう。
後年出る『ホムンクルス』が、この辺の欠点を意図的に補修している(個の問題に絞り込んだ)。なので、本作『寄生獣』はメタモルフォーゼ・ジャンルの画的・理論的な支柱として礎になった、と感じている。
この作品、いつの日か映画化でもう一度花を開くチャンスがあるだろう。CGの進展度から言えばあと3~4年後かな? その時には(時間制限から)総花的な内容にはできないだろうから、キッチリとピントを絞って欲しいと願っている。
個人的には、ミギーにキッチリとした目的を見出させて欲しい。