1.《ネタバレ》 終末世界を舞台にしたリアルな戦争もの。最後の方はSF。
作者独自の世界観がよく表現されていて、絵も精緻で素晴らしいのですが、展開にやや難が。兎に角人が死にすぎるのです。
序盤中盤から皆殺しの勢いで敵も見方もヒロインも、兎に角人が死にまくり。死んだ分だけ新キャラが補充されるのですが、そのキャラたちが徐々に魅力ダウンしてしまうのがなんとも。前のキャラたちの方が良かった、なんていうキャラストックの枯渇を招いてしまった。作者としてはこの意外すぎる展開で戦争とこの漫画世界のリアリティとオリジナリティを出したかったのだろうけれど、この果敢な試みについては個人的にはちょっと失敗かな、という評価。
とまあ、やや辛口ですが、序盤から中盤にかけては戦闘の描写も秀逸で話の展開も面白く非常に良い漫画です。最後は風呂敷が広がりすぎてちょっと読者を置いてきぼりの行き過ぎたSFに突入してしまいましたが、あれだけ人を殺しておきながらちゃんと物語を完結させたのだからお見事。
お気に入りのシーンはカチュアの「あ」と、ヘレナとの蜜月。
敵役のおばさん顔の暗殺者も個性あって好きでした。