1.沙村広明の代表作と言えば「無限の住人」だが、最高傑作と言えばこの「波よ聞いてくれ」だ!(異論は認める)
沙村作品の醍醐味と言えば、迫力満点のアクションシーン?それとも格好良い女性キャラクター?いいえ、グダグダしたくだらなさ満点の会話劇だ!
主人公のミナレ(女性だがヒロインでは決してない)は札幌住みで、スープカレー屋でバイトする25歳だ。見知らぬ人と居酒屋で記憶がなくなるほど飲むなど私生活はかなり荒んでいる。おまけに只今絶賛失恋中なのであった。
そんなミナレが、ひょんな事からラジオ番組でパーソナリティをやった事で評判を呼び、正式にラジオ番組を受け持つ事になって行くという物語だ。
こう聞くとラジオ業界ものかぁと思うかもしれないが、決してそうはならず、ミナレの最高にグダグダした日常をこれまた最高にグダグダした連中と繰り広げて行く予測のつかないドタバタコメディーとなっている。
「無限の住人」は嫌いでも、沙村広明のギャグセンスにビビっと来た人なら絶対ハマると思う。