3.《ネタバレ》 ラストシーンは比類のない素晴らしさ。無駄がなく、鮮烈だ。
あだち充の作品を読むのはこれが初めてだけど、台詞のないコマの運びや無駄な感傷のない演出に独特のセンスがあり、心底感動させられた。よく考えるとベタだったり、主人公が(スポーツ理論なんかすっ飛ばして)天才過ぎたりするのだが、そうと感じさせない巧みさがある。大和父や緒方、スキー場の女の子といった脇役の配置の上手さもずば抜けている。
これを読むと十代の頃にスポーツに打ち込んでおけばよかったなんて思わされてしまう。もっとも、打ち込んだとしても絶対こんないい青春にはならないんだろうけど。