★4.大変よくできた漫画だと思うが、次が読みたくて止まらない、というほどではない。「芸術性」は高いと思うが、人間の内面に光を当てたものではないと思う。 【みんな嫌い】さん 7点 [全巻 未読](2009-02-02 10:06:49) |
3.《ネタバレ》 時代考証を重視し緻密に描き込まれた画面はとても美しいです。登場人物の人物像の作り方も丁寧でとても魅力的です。その一方で時代背景や人間関係を台詞にしてしまう作風が人物の感情面の描写を損ねているような印象があり、残念です。台詞で説明をするのは、ある意味舞台劇的な手法とも言えますが、漫画というメディアの利点を生かして図とキャプションで説明した方がわかりやすくなるのではないか、というところもしばしば見受けられます。とりあえず今後の展開に期待します(個人的には神聖ローマ皇帝がどういう描かれ方をするのか興味があります。イタリア視点だとあまりよい評価は与えられないと思いますが、少なくともフランス王よりはマシな扱いかな、と) 【ゆきち】さん 8点 [全巻 未読](2009-01-30 23:24:49) |
2.《ネタバレ》 チェーザレ・ボルジアという人物を、ある程度、書籍で知ってる人にとっては、遅々として進まない展開に、苛々するかもしれない。おそらくは5巻を費やしても(現在4巻まで刊行)、チェーザレは未だピサで学生をやっているペースを思うと、この先、何巻を費やすと枢機卿から還俗して教会軍総司令官になるのかと思うと、クラクラする。いえ、今までの展開に、チェーザレの、スペイン人の誇りを盛り込もうとした作者の意図は分かるのだが、それにしても、億劫だ。また、いくらチェーザレをモデルに「君主論」を書いたとはいえ、フィレンツェの一官吏に過ぎなかったマキァベリの登場の仕方は、いかにも強引。後、チェーザレの軍師となるダ・ヴィンチとの出会いより、無理がある。今のところ、期待していただけに、ガッカリ感が大きい。今後に期待。 【由布】さん 4点 [全巻 未読](2008-05-20 00:52:20) |
1.《ネタバレ》 美しく完成された画と、膨大な資料に基づく重厚な世界観がほんとうに素晴らしい。天才性と残酷さを併せ持つチェーザレの人物像と、複雑に入り乱れる陰謀にはわくわくさせられる。唯一気になるのは台詞がときどき説明的に過ぎる点で、緻密な取材の効果が悪い意味で出ている。この生堅さがもう少し薄れてくれればと思う。もっともそれは瑣末な欠点で、充分に秀作といえるだけのクオリティが保たれている。ミゲルやルクレチア、ダ・ヴィンチといった脇役の面々も巧みに描かれていて、みんな魅力的だ。画も設定も、細部まで気が遣われているのがわかる。
幸か不幸か世界史には疎いので、史実を調べたくなる衝動をあえて我慢したまま新刊を楽しみにしている。 【no one】さん 8点 [全巻 未読](2008-05-17 12:50:41) |