2.よしながふみの話は上手いと思う。が、私は個人的に魅力を感じない。登場人物が作者の手中でしか動いていないように感じるから。この男女逆転大奥もそう。女将軍という設定に一番自然なのは、女性の数が激減した社会だろう。しかし、この話は逆に男性の数が少ない。母体が1人なら男性が多数でも一人でも子の数は同じなのに?男性の数が減れば男尊女卑に拍車がかかり、ますます男性支配が強固になってしまうだろうに?どうにも不自然だ。この話は「どうしてこんな不自然な形になったかの説明」なんである。不自然故の悲劇がテーマかもしれないが、私は作者がBL体質だからでは?とみている(蔑んでいるのではありません)「男性が貴重な世界」がどうしても描きたいのではないだろうか?だから、登場人物が自分で苦しみ、悲しみ、決断して生きていると感じられない。作者の作ったレール(あら筋)に合わせているだけに見えてどこか白けてしまう。たくさんの人が感動し、認められているから良い話なんだろう。でも、私は駄目だ。BL体質な漫画家が駄目なのではない。手段が目的になっている話が根本的に駄目なんである(自分でもよく分からんけど;)