2.《ネタバレ》 チェーザレ・ボルジアという人物を、ある程度、書籍で知ってる人にとっては、遅々として進まない展開に、苛々するかもしれない。おそらくは5巻を費やしても(現在4巻まで刊行)、チェーザレは未だピサで学生をやっているペースを思うと、この先、何巻を費やすと枢機卿から還俗して教会軍総司令官になるのかと思うと、クラクラする。いえ、今までの展開に、チェーザレの、スペイン人の誇りを盛り込もうとした作者の意図は分かるのだが、それにしても、億劫だ。また、いくらチェーザレをモデルに「君主論」を書いたとはいえ、フィレンツェの一官吏に過ぎなかったマキァベリの登場の仕方は、いかにも強引。後、チェーザレの軍師となるダ・ヴィンチとの出会いより、無理がある。今のところ、期待していただけに、ガッカリ感が大きい。今後に期待。