★1.正直にいうと山本直樹はたまに――しばしば自分の読解力を超越しているのであまり堂々とは語れないんだけど、『フラグメンツ』に関してはやっぱり好きだ。ファンタジーというのはためらわれるけれど、リアルというのとも違う雰囲気からしてなんともいえない。普通に足を踏み出したつもりなのに、靴底が地面から一センチほど浮かんでいたみたいな、微妙な浮遊感が。収録されている「別章」も無関係なようでどことなく共通した空気が通っている。リアルじゃない場所でリアルなものを探している人たちの寂しさが伝わってくる。 【no one】さん 9点 [全巻 読破](2007-11-08 21:26:43) |