★1.《ネタバレ》 いくえみさんの他の作品に比べると切実さに欠ける分、いくぶん読み応えが弱い気もする。
ただ、さえない女の子が発奮して変身するというところまではありふれているものの、そのあとも容易く幸せになれるわけではない、というリアルさが珍しい。頑張って自分を変えてからが実は最大の試練である、という。主人公のたるんだ裸をさらっと絵にしてしまう筆が、シビアだなあと思う。
そんな作品中、体重がリバウンドして戻ってしまったときの「経験があるんだからまるっきり元通りにはならない」、という励ましの言葉がいちばん力のある台詞じゃないだろうか。
等身大の主人公の成長を通して読者にエールを送る一方で、単純に読者の願望を満たして、甘やかすだけの作品には終わっていない。少女漫画の世界にはこうした描き手がもっともっと必要だろうと思う。 【no one】さん 7点 [全巻 読破](2008-04-15 16:04:13) |