★1.《ネタバレ》 ありえねえと思うのだけど、意外と史実に基づいているそうなので驚き。“車輪”も実在したのだろうか?? 凄惨な戦場の画を見ると、『寄生獣』の頃と変わらず下手だ(笑)。
エウリュアロスの攻防がこの作品のハイライトだと思うが、そこで大喜びする男を登場させて主人公に「狂ってる」と腐させる辺りの冷静な客観性が、いかにも岩明均らしい。最後の「他にやることないのかい」という台詞もまた秀逸だ。戦いの高揚感とその後に訪れる空虚が、短いページ数の中に凝縮されている。
ただ、アルキメデスについての脚色やその死についての演出は面白かったが、最後の一ページなんかは微妙だった。やや尻切れトンボな感も否定できない。ダミッポスを中途半端な主役ではなく狂言回しに徹しさせ、アルキメデスを中心に置いた方が、話としては均衡が取れたんじゃないかと思う。 【no one】さん 7点 [全巻 読破](2008-05-18 15:16:50) |