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1.  乙嫁語り
作中で女性たちが糸を紡ぎ、刺繍をし、部屋をあつらえるように 作者が紙とペンで紡ぎ出す上質な物語です。 中央アジアでの定住民に嫁いで来た遊牧民の女性の嫁入り話を軸に 19世紀半ばから末にかけての当時の素朴な生活が 恋話、手仕事話、食べ物話、小旅行といろいろな形で描かれています。 穏やかな日常の向こうに見え隠れする「世界が変わって行く激動の時代」の雰囲気が この先、主人公たちの生活にどう影響していくのか、見守っていきたいと思います。
9点(2013-02-21 23:54:49)
2.  エマ 《ネタバレ》 
「そこが大事なんです」で作者のメイドに対する思い入れが炸裂しているヴィクトリアンロマンス漫画作品。人間関係が基本的に性善説に乗っ取って描かれているのは作者の人柄でしょうか。一応の悪役・憎まれ役は登場するものの、ドス黒さは皆無に近いです。紳士が紳士なところがよく、淑女が淑女なところがよく、使用人が使用人なところがよく、普通の人が普通の人なところがよいです。巻が進むにつれてどんどん作者の腕前が進化していくところも見所です。子爵の登場からエマ誘拐・奪回までの展開は余分かな?という印象ですが、ああいう形にしないとウィリアムにも瑕疵がなかったとは言えないので破談にはしにくかったのでしょうね。本編は男坂エンドだなー、と思いましたが、その後の番外編で八方丸く納まってってよかったです。本編は8点、番外編は10点で9点献上。
9点(2009-01-30 23:38:17)
3.  チェーザレ 破壊の創造者 《ネタバレ》 
時代考証を重視し緻密に描き込まれた画面はとても美しいです。登場人物の人物像の作り方も丁寧でとても魅力的です。その一方で時代背景や人間関係を台詞にしてしまう作風が人物の感情面の描写を損ねているような印象があり、残念です。台詞で説明をするのは、ある意味舞台劇的な手法とも言えますが、漫画というメディアの利点を生かして図とキャプションで説明した方がわかりやすくなるのではないか、というところもしばしば見受けられます。とりあえず今後の展開に期待します(個人的には神聖ローマ皇帝がどういう描かれ方をするのか興味があります。イタリア視点だとあまりよい評価は与えられないと思いますが、少なくともフランス王よりはマシな扱いかな、と)
8点(2009-01-30 23:24:49)
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