1. 波よ聞いてくれ
沙村広明の代表作と言えば「無限の住人」だが、最高傑作と言えばこの「波よ聞いてくれ」だ!(異論は認める) 沙村作品の醍醐味と言えば、迫力満点のアクションシーン?それとも格好良い女性キャラクター?いいえ、グダグダしたくだらなさ満点の会話劇だ! 主人公のミナレ(女性だがヒロインでは決してない)は札幌住みで、スープカレー屋でバイトする25歳だ。見知らぬ人と居酒屋で記憶がなくなるほど飲むなど私生活はかなり荒んでいる。おまけに只今絶賛失恋中なのであった。 そんなミナレが、ひょんな事からラジオ番組でパーソナリティをやった事で評判を呼び、正式にラジオ番組を受け持つ事になって行くという物語だ。 こう聞くとラジオ業界ものかぁと思うかもしれないが、決してそうはならず、ミナレの最高にグダグダした日常をこれまた最高にグダグダした連中と繰り広げて行く予測のつかないドタバタコメディーとなっている。 「無限の住人」は嫌いでも、沙村広明のギャグセンスにビビっと来た人なら絶対ハマると思う。 10点(2018-01-15 18:43:15)(良:1票) |
2. 宝石の国
アニメから入り、原作を読んでみたくなったので購入。 取り敢えず5巻まで読んだ感想です。 とにかく絵柄が独特ですね。 芸術性溢れる美しい画がいっぱいで、一目でこの作品世界に魅せられました。 世界観もオリジナリティーに溢れており、宝石達が主人公というのも面白い。 月人という謎の敵とのバトルがメインだが、単なるバトル漫画ではなくて、仲間同士の助け合いやほのぼのとしたやり取り、先生と呼ばれる存在との関係性など、色々見所がある。 主人公であるフォスフォフィライトは、仲間内でも硬度が最低で足を引っ張ってばかりだが、私も何かの役に立ちたいと頑張っていく成長物語になっており、ついつい応援しちゃう。 今後の展開も楽しみだが、この作者の他の作品も読んでみたくなりました。 10点(2017-12-17 23:35:43)(良:1票) |
3. 町田くんの世界
少女漫画らしくない少女漫画。だけどそこがいい。 主人公は町田くんという男子高校生。 眼鏡をかけていて真面目そうな見た目とは裏腹に勉強は得意ではない。イケメンでもない。 しかし、彼の周りにはいつも人が自然と寄ってくる。 とにかく町田くんは誰に対しても分け隔てなく優しい。その優しさは時に誰かの悪意に対しても打ち勝つほどであるが、どんな人でも信じてしまう為危うさも含んでいる。 しかし、彼のその真っ直ぐな生き方は周りの人間を知らず知らずの内にファンにしてしまう魅力があるのだ。 さあ、そんな町田くんの世界を覗いてみませんか? 9点(2019-06-09 13:39:02) |
4. デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
まだ途中なので暫定9点。 「おやすみプンプン」で独特の表現と哲学的とも言える人物描写で一つの到達点に達したが、この後どんな漫画を描くんだろうと期待していた所へ登場したのがこのやたら長いタイトルの漫画だ。デが多い。 「おやすみプンプン」は読むにしたがって辛くなるような、かなり精神的に消耗してしまう漫画だったが、今作は純粋に青春ものとしても明るいし、コミカルなキャラクターはとことんデフォルメされていて魅力的だ。人類に紛れて密かに宇宙人の侵略が始まっているという思いっきりSFな要素があるのにそんなに深刻になっていなくてちょっとシュールな所も面白い。UFOもなんだかフラフラ情けなく飛んでるし‥。どう読んだらいいのかわからない独特の擬音が好き。とにかく笑いあり涙あり恋愛ありでかなり楽しいエンタメ作品だ。 物語が進むほどに段々シリアスさが増してきたが、あまり暗くならずにこのまま行って欲しいなぁと願うばかり。 9点(2018-02-01 18:26:39) |
5. 響 〜小説家になる方法〜
これは現在発売中の10巻までを読んでの感想である。 このタイミング(※実写映画が明日から公開)でのレビュー投稿はミーハー丸出しだが、別に映画が楽しみすぎて慌てて読んだとかいう訳ではない。ちゃんと映画化が決まる前から読んでいたのよ(←だからどうした) というわけでレビュー行ってみよー❗️ まず、タイトルに「小説家になる方法」とあるが、小説家を目指している者が、このマンガを読んだ所でなれるというわけでも、参考になる事も全く無いと言っていいだろう。 このマンガの面白さは、天才的な小説家である15才の少女、響が芥川賞と直木賞にダブルノミネートされるという事件を発端に巻き起こる数々の波乱に満ちた騒動と、彼女のぶっ飛んだ性格にあると思う。響の暴力的とも言える立ち居振る舞いがとにかく圧巻で、次に何をやらかすのかとても気になって読み進めてしまう。ちなみに彼女の得意技は指折り(!)である。 ただし、彼女の書いた小説については内容とか殆ど明かされないので、どんだけ凄いのかあまりピンと来なくて、そこは想像で補う事になるだろう。 芥川賞と直木賞の違いは?選考基準は?と言った今さら聞けない素朴な疑問なども詳しく解説されているし、出版業界のあれこれ、うんちくなども描かれているので、そういう業界に興味があればオススメである。 8点(2018-09-13 19:20:10) |
6. ゆるキャン△
現在最新の6巻まで読んだ感想。 ゆるキャンとは、ゆるいキャンプの略であり、まったりとした女子高生達によるゆるふわなキャンプ(どんなキャンプだよ)が描かれている。 「けいおん」のキャンプ版と言えばいいのだろうか?とくに事件が起こるわけでもなく、平穏な彼女達の日常が淡々と描かれている為とても癒やされる。 絵柄はいかにもまんがタイムきらら系というのかな?トーンが多めで、決して画力は高くない。 しかし、キャンプ道具等の造形は非常に細かく描写されており、キャンプ用品の店内の様子とかはちゃんと描き込まれていてリアルだなぁと思った。その辺はこだわりを感じた。 私のようにアニメから入った人にはもはや説明は不要だろう。 ちなみにコミック4巻までがアニメ1期に相当する。 なので、アニメが終わって喪失感を感じている所で5巻以降を読めばまた続きを読めるのでこれはかなり嬉しい。 もうすぐにでも2期が始められそうだね、これは。 8点(2018-04-03 02:14:09) |
7. 零落
主人公は漫画家。 目が死んでいる‥ ヒット作を描いたもののスランプに陥り、仕事もせずに風俗で自分を慰める日々。その癖プライドだけは高く、安易なヒット漫画を批判し、他の漫画家を嫌悪している。 恐らく浅野いにお自身の体験を語っているのだと解釈したが、漫画家としての葛藤や空虚感が凄くリアルに感じられた。 8点(2018-02-01 18:12:02) |
8. 山と食欲と私
6巻まで読んだ感想。 山ガールというのが流行っていたが、そう呼ばれるのを嫌い自らを"単独登山女子"と呼ぶ日々野鮎美(27)が主人公の登山漫画。 彼女の目的は只登山する事ではなく、山で美味しいご飯を食べるというその瞬間の為にある。 その料理はインスタントラーメンにウインナーを入れただけの簡素なものから、まるごとトマトのジャンバラヤ、オイルサーディン丼などの凝ったメニューまで、その料理描写がとても美味しそうで食べたくなる事請け合い。 休日は泊りがけでテント背負って登山に行ったりと、登山家としてもかなり上級者である為、その描写はリアリティに溢れているし、色々とためになる。 自分もこの漫画の影響で、今年の夏は登山グッズを揃えてデビューしようかなぁと密かに思っていたり。 8点(2018-01-01 17:33:10) |
9. ラガーにゃん
ラガーマンじゃなくてラガーにゃん…。 猫漫画界の巨匠(らしい)そにしけんじが描くのは猫にラグビーを覚えさせるという内容の漫画だ(何それ)。 ほら、ラグビーってなかなかルールとか解りづらいし、試合を観ててもよくわからないと思いませんか? そんな声にお答えしたのがこの漫画だ! 猫でもわかるラグビー入門と銘打っているだけあって、気軽に楽しくラグビーのルールを学ぶ事ができる。元ラグビー日本代表の方も解説として参加しておられるので安心である。 ただし、猫ちゃん達が主役である為、教えようとしてもなかなか自由なんですよね彼らは。勝手に走り回ったり、いつの間にか寝ちゃってたり。 でも、そんなゆるい所が癒されるので、猫好きな方には特にオススメです。 7点(2019-02-13 17:29:59) |
10. ラーメン大好き小泉さん
現時点での最新刊6巻まで読んでの感想。 べ、別にアニメにハマったからってコミック買った訳じゃないんだからね!(実はアニメが始まる前に買っていたが読んでいなかったという‥) 最近の出版業界にありがちな、ページを薄くして巻数を増やし、値段は据え置きという、思いっきり儲けに走るパターン。この漫画もモロにそんな感じ。でも薄いけど、情報量は結構多いので損した感じはしなかったかな。 とにかく毎回、色んなラーメンの知識がてんこ盛りで、作者のラーメンに対する愛情の深さが伝わってくる。 小泉さんを始めとしたクラスメイトのキャラクター達も魅力的で、彼女達の掛け合いも面白い。 読んだら確実にラーメンを食べたくなる 7点(2018-02-14 19:59:50) |
11. 少女終末旅行
終末世界版日常系漫画。 主人公は二人の少女。 世界は終末。 配管だらけの工業地帯?みたいな荒廃した街をひたすら彷徨う。 時に生存者と出会い、時にロボットに案内され、時に魚や謎の生物と遭遇する。 謎に満ちた世界観だが、ゆるーい少女達の掛け合いがホッと息つく暇を与えてくれる。 最初は絵が雑だったが、回を重ねる毎に確実に画力がアップして行っていた。4巻以後は特に安定して良い絵になったと思う。アニメ化もされたので原作が気に入ったら絶対オススメである。 7点(2018-01-01 18:44:52) |
12. きみが心に棲みついた
下着メーカーに務める小川今日子は学生時代、すぐにキョドってしまう事からキョドコと呼ばれていた。 星名という男に恋心を寄せていたが、これがとんでもない男でキョドコを精神的に支配しようと酷い仕打ちをしてくるのだった。 そんな星名がキョドコの会社にやって来た事で再び支配されていくという物語。キョドコには新しい恋人も出来たのだが、やっぱり星名の事が忘れられず未だに引きずっているという感じだ。 とにかく、このキョドコが優柔不断だし、奇行も多いので、読者の方もキョドコに振り回されてしまう感じである。でも、仕事は一生懸命頑張るのでちょっと応援したくなるから不思議。 「君が心に棲みついたS」へと続く。 6点(2018-02-21 18:38:28) |
13. ポプテピピック
今回ご紹介するのはこちら。 はい、出た!とびっきりのクソ4コマ!! 大人気打ち切りコミックスですよ〜。 内容は至ってシュール。ちょっと過激‥。いや、だいぶぶっ飛んでいる。 もし、アニメから入ったという方でしたら、耐性が付いているはずなので問題ないが、話題性に釣られていきなり買ってしまったという方は覚悟が必要かもしれない。 とは言え、読んだ人全員に共通して言えるのは、金と時間の無駄だと言う事である。 0点(2018-03-12 21:50:00) |