1. デビルマン
《ネタバレ》 これを20代で描いたということからも永井豪の凄さが伺える。 中盤まではホラー色があ強めの漫画と言った印象だが、終盤からラストまでの展開が凄い(良い意味で)。 最初は元気一杯なヒロインや自分を犠牲にして(正確にはちょっと違いますが)デビルマンに『戦って』と懇願する少女達を筆頭に人間サイドには善人が多く描かれ悪魔のエグさをこれでもかと見せつけますが、後半『悪魔は人間に憑依する』と言う事実を知り魔女狩りの如く『悪魔狩り』を始めた人間の狂気は作者の画力も相まって悪魔以上の醜さ(むしろ悪魔の方が優しく見える)を表現しています。 悪魔に憑依された自分を信じてくれた人々が、守るべき人間に殺された時に主人公が叫ぶ。『これが!これが!おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!』私が見た中でも屈指の名シーンです。そして、唯一残っている彼の『守るべき人間』すら殺され(これを当時よく少年誌でできたなと感心)ながらも悪魔と戦うデビルマン。 人類は滅亡しラスト数ページは哀愁や虚無感と言った美しさ感じれました。これがあるおかげで数々のトラウマ級のシーンが存在する本作の印象が良い意味でだいぶ変わります。劇場エヴァ(旧作、個人的トラウマ)もラストこんな感じにすれば救われたかな? 正に漫画界屈指の名作。実写映画作ったスタッフは全員自分たちの行いを恥じ、二度と映像作品に参加すべきではない!!! 10点(2010-03-06 07:49:38) |