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いまなお解決の目途がつかない北朝鮮拉致事件の実録マンガ。
めぐみさんの日常生活のエピソードはとても良かったです。よく写真で見る和服姿が撮られた情景とか、ガマガエルで遊ぶ話とか、転校した虐められっ子を庇う話とか・・。明るく、正義感の強い子だったんですね。 事件発生以降の描写はかなり変。解決の為に尽力したのが、新聞記者と共産党員だけ・・という事になってしまっている。 リアルタイムで覚えていますが、当時は新聞も野党も「拉致事件は公安当局が予算を獲得する為にでっちあげた架空の事件」という立場だったはず。新聞の社説でも何度このフレーズを見た事か。 実際に尽力したのは当時一閣僚に過ぎなかった安倍現総理であり、事件が発覚したのは当時のアメリカ大統領にイラン・イラクと並べて「悪の枢軸」と名指しされたから。当時は湾岸戦争の激戦の真っただ中。彼等と同格にされて腰を抜かしたあちらの元首が慌てて白状した事により、拉致事件が世界的に明らかになりました。(その機を逃さずに被害者返還までこぎつけた当時の日本政府も大したものだったし、アメリカ政府からその文言を引き出すための与党議員・官僚らの水面下の外交努力も相当なものだったと推察できます。) ・・なのにその事は全く描かれていない。新聞記者と共産党議員が被害者の相談に乗っただけで、その後唐突に小泉首相の有名な奪還シーンが登場する。なにコレ?って感じ。 さらにはご丁寧な事に、発覚後の在日朝鮮人の号泣謝罪大会がまるまる1章を費やされて描かれている。個人的には在日朝鮮人の団体が何か謝罪声明を出したなんて聞いた事がないし、リアルでも(匿名のはずのネットですら)謝罪する在日など見た事がありません。よくこんな白々しい事が描けるな・・と呆れてしまいます。 本作は「監修・原作 横田滋・早紀江」となっていますが、恐らくご本人が手掛けたのは拉致前の日常生活でのエピソード部分のみでしょう。あとは名を出さない誰かが作っているという感じ。とにかく一人でも多く問題を知ってほしい・・という横田さん夫妻の願望を利用して、第三者が実に都合のいい話を作り上げているようで、かなりヒドイ。 家庭内のエピソード10点、それ以降の描写0点、間を取ってこの点数です。 【番茶】さん 5点(2015-08-26 12:32:39)
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