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行きつけのショットバーに全巻置いてあったので2巻まで読んでみました。
キモは文明の異化にあって、そこで風呂を肴にするとこが面白いんだけど、日本人側じゃなくローマ人側を主人公にしたとこが意外に深い。 一種の現代の戯画になってます。時代を映画『グラディエーター』の50年くらい前に設定して、帝国最盛期の当時の典型的マジメローマ人に現代日本人を「属州民」「平たい顔族」と言わしめるあたり、まさに西欧と日本の立ち位置を踏襲してる。 その上で、日本では西洋文化が流入してくる前に確立していた「風呂」を土俵にすると、割りと万国共通な、根本的な問題を語れたりするわけですな(なのでフルーツ牛乳とシャンプーハットはちょっと勇み足ですが、スタンプラリーと滑り台はアリかな)。 自国文明が最高だと奢るのは誰もが陥る罠で、時の帝国人であればなおのこと…そこを冷静な技術者の目で、謙虚に比較していく点。その思索の結果を自文明で再現しようと努力する姿。オイラはルシウスのその姿勢にローマ・中国・イギリスにかつてあった「良き帝国人」の影を見たりします。作品意図を大きく越えていますけど。 さすがローマ人、ルシウスの器は大きい。 【エスねこ】さん 8点(2012-02-12 10:21:40)
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