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たぶん人生でいちばん好きなコミック。描かれたのは十年以上前だけれど、これほど現代に特有の空虚さ、乾いた絶望感を的確に捉えた作品は他にないんじゃないだろうか。生きているということにリアリティがない感じというか、日常におけるあっけらかんとした絶望を巧みに描き出している。登場する少女、少年達には拠り所にできるようなものがまったくなくて、ただ痛みだけが確かなものであるかのようにすら見える。唐突に引用される詩の効果も抜群で、一度読むと忘れがたい。「平坦な戦場で生き延びること」、その難しさ。きれいごとを一切抜きにして、日々を生きていくことの意味を問う。ポジティヴなメッセージはほとんどないけれども、この切実さが、不思議と読む者に力を与えてくれる気がする。
好き過ぎてあまり語るとわけわかんなくなりそうだからここらへんでやめとくけど、間違いなく、大傑作です。 【no one】さん 10点(2007-10-25 00:40:34)(良:1票)
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