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《ネタバレ》 ヨーロッパが舞台のミステリー巨編で、リアルタイムで単行本を集めるくらいには好きでした。
惜しむらくは他作品からの露骨な引用が多すぎることで、読みながらああここは『ツインピークス』、ここは『死の接吻』、こちらは『沈黙の獲物』で、あちらには『FBI心理分析官』まであるぞという感じで次々と元ネタが見つかる。過去の作品から影響を受けるのは当然だし、ゼロからオリジナルを生み出せとはいわない。にしても、ちょっとやり過ぎでしょう。結末までそっくりな小説があると知ったときはさすがにげんなりした。 ただそれでも充分読ませる面白さではあるし、さまざまな視点からスケールの大きな物語が立ち上がってくるあたりはさすが浦沢氏。この結末も、似た小説があるとしても評価できると思う。これだけ大勢の人間を巻き込んだ悲劇でありながら、根底にあるのはナチスの陰謀ではなく家族の崩壊だった、というのが人間という生きものの本質を表しているようで面白い。上記の理由から文句なしの名作、とはいい難いんだけど、個人的には好きです。 【no one】さん 7点(2007-11-11 22:34:16)
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