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史上最強の漫画。そう言い切っていいだろう。
連載が終わって20年以上。もちろんアニメもやってないのに、ちょっと大きな本屋では、未だに連載当時そのままの姿で並んでたりする。 こんな恐ろしい漫画は今まで見たことないし、これからも出ることは想像できない。 さて、この漫画の最終31巻をほめる人が多いけど、実は連載初期から抜群に面白いと思う。 この漫画がバスケのみになるのは9巻からだけど、連載開始からそれまでおよそ1年半。 少年ジャンプという、最も人気に厳しい雑誌の連載だから、つまらなかったらそこまで続くわけない。 というより、その頃にはすでにジャンプの看板になっていたと記憶している。 自分がリアルタイムで読み始めたのも、ちょうどその頃。理由は「断然面白いバスケ漫画がある」という噂からだったし。 この漫画が抜群に面白い理由は、8巻までのヤンキーバスケ漫画時代を長い長い伏線にして、主人公・花道の心を成長させたことにある。 スポーツ漫画の世界では、心技体のうち、技はうまくなって当たり前、体も大きくなることはままある。 しかし、心は成長しない。 心を成長させるっていうことは、キャラが変わってしまうということであり、人気のある漫画ほど許されないから。 そういう意味で、この漫画は奇跡。 おまけに、巻が進むごとにどんどん絵が上手くなっていくからたまらない。 それから、よく読むと、ほかのチームメイト、特に赤木なんかは最初よりはるかに大人になってくる。 だから泣ける。 もう一つ、この漫画を驚異と思うのは、次から次へ魅力的なサブキャラが出てくること。 だから、陵南VS海南大附属なんていう、主人公が出てこない回を1巻分続けても、まったくテンションが落ちない。 こんなことができた漫画も、自分は他に知らない。 ちょっと笑えるのは、「次から次に出てくる魅力的なサブキャラ」は、全員男子だということ。 女子キャラは、最初の1巻でもう終わり。 そして、魅力がないからどんどん影が薄くなる。 もし、スラダン好きで「一番好きなキャラは晴子」という人がいたら、ちょっと人間性を疑ってしまうなあ。 対戦相手も全て男子校と思われる。だって客席でさえ、他校の女子生徒は描かれたことがないから。 最後に、この漫画のライバルを挙げておきたい。 漫画にはライバルがいないから、小説から二つ。 司馬遼太郎「竜馬がゆく」と、山中恒「ぼくがぼくであること」。 どちらも少年の成長譚。販売部数はスラダンの足元にも及ばないけど、代わりに50年以上売れている。大きな本屋なら、今でも置いてある。 ちなみに、自分は後者の方が断然好き。 【まかだ】さん 10点(2018-10-31 22:03:49)
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