1.《ネタバレ》 幼少時にはかなりビビらされるエピソードだった。序盤で裏切者が殺される場面などは人の怖さもあって洒落にならない。「人喰い」といいながら食ってないではないかという程度のことは小学生でも思っていたが突っ込む気もしなかった。
恐ろしい細菌を人為的に植え付けたガということなので、本来は無害だったわけだが何という種類なのか設定が明らかでない。大型で青いのでオオミズアオかと思っていたが翅の形が違うようでもある(尾など)。
今回は「巨大な外国資本」が、邪魔な国内自動車メーカーの社員を次々殺す(巻き添え複数)というのが恐ろしい話でオトナ感覚だが、さすがに日本企業はここまでしないだろうという前提だったらしいのは常識的で穏当といえる。犯行グループの車がVWだったので、そっちの方かと一瞬思わされるのは「偽装」かも知れないわけで、やはりここまでするのはあっちの方だろうと思ったりする。
またいま見ると意外に笑わされるところもある。設計主任の自宅で、幼子の眠るベッドの傍らにガがいたのは非常に嫌なシチュエーションであって、時計が9時で鳴るとか父親が呆然としてつぶやくとかミルクの滴が落ちるとか扇風機が首を振るとかで緊迫感が演出されていたが、玩具が鳴り出したのはやりすぎのようでかえって笑ってしまった。
ところで本来この回は第1話として制作されていたが、怖さを増すため特撮場面を追加撮影したことから、放映が遅れて第2話になったとのことだった。その追加前の版(初号試写版/パイロット版/ファーストプレビュー版)が現在はDVDなどで公開されているが、見ると追加の代わりに削除された場面が結構面白い。
特にもとはレギュラー紅一点のさおりちゃんの出る場面が多く、本来は序盤でコーヒー出し、中盤でチョウの採集場面があり、それが終幕場面のコーヒー出し+チョウ散乱につながる形になっていた。削除された場面では、さおりちゃんの人柄や他の人物との関係性も描写されていて、これがなくなったのは非常に残念だ。特にさおりちゃんに対する警部の態度には共感した。