1.《ネタバレ》 実相寺監督・佐々木守脚本のエピソードで、この組み合わせは第5話以来である。第23話に続いて(一つ飛ばして)今回も京都が舞台になっており、レギュラーの面々と町田警部がまた出張して来ている。
ファンの間では評価の高いエピソードだが、自分としてはそれほど気に入っていない。その理由は主に、昔が正しい/今は間違っているという思い込みが感じられることである。教授の助手が、一千年前に(西暦969年/安和二年、藤原氏の全盛期)美しい文化が栄えたと言っていたのまではいいとして、都市景観まで美しかったろうと思う根拠は何なのか。また教授の「近頃の京都の変わりよう」という発言は、単に自分が生きていた範囲の昔と比べているだけのことで、年配者にみられる勝手な決めつけにしか思われない。さらに街や人のありようと仏像がどう関係するのかもわからなかったが、まあ昭和40年代の時点での素朴な問題意識を未整理なままで出していたと思うしかない。ついでにいえば、京都にいながら「…大和しうるはし」という一文を引くのでは、盗品を奈良県に隠す意図でもあるかのように聞こえる。
そのほか人物の関係では、恋人未満の2人の思いはくみ取れるが、個人的に問題だったのは教授の助手(観音様?)がどうも好きになれないことである。申し訳ないが第23話の「信子はん」の魅力には負けている。
なお今回はレギュラー紅一点のさおりちゃんも出張に同行したようで、他のメンバーと一緒に和風旅館で座卓を囲んでいたが、ここでの言動を見ているとまるで酔っ払いのように見える(鼻もテカテカしている)のは非常に変だ(酒は出ていない、そもそも未成年では?)。今回最も面白かったのはこの場面だった。