1.《ネタバレ》 侵略宇宙人の名前は出ないが怪獣は「エレキング」と呼ばれている。宇宙人が地球に来た目的は、怪獣を暴れさせて「地球上の人間を皆殺しに」し、「美しい星」である地球を奪うことだった。また侵略行動に邪魔なウルトラセブンの活動を事前に阻む計画があったようで、地球防衛軍など初めから問題にしていなかったらしい。
宇宙人は2人で来ていたが、別に何か任務があったのではなく組織的な背景もなく、単に地球を「あたしたちのもの」にするという個人的動機だったらしい。この2人が地球人に化けた姿が少女だったのは、もとの宇宙人としてもこのような年齢性別?だったと解すると、要は仲良しの女の子2人が面白がって侵略遊びをしただけのようでもある。きれいなものを自分のものにしたがるのが子どもっぽさの表現のようで、また副題が「秘密」ではなく「ひみつ」なのも女の子風といえる。
侵略とはいえ人里離れた山奥(長野県の木曽谷)に大怪獣が出ただけで人的・物的被害は何もなく、それでも最後に撃滅してしまったのはあまりに無慈悲なようだが、しかし再犯の恐れもあり、侵略される側として放置してはおけないというのも当然ではある。また「地球人の男性は可愛い子に弱い」という弱点を知られてしまったのもまずかった(かなり現実的問題)。
全体として宇宙人の行動が微笑ましいこともあり、なかなか楽しめるエピソードになっている。
登場人物に関して、宇宙人役の演者は当時高校1年生だったそうで、序盤では水着姿も見せていたが、演技でも「あたし、触られたくないの、誰にも!」という感じで頑張っている。第31話に出た松坂慶子のような女優の卵だったのだろうが、本人の意思によりこの撮影限りで演技の仕事はやめたとのことだった。ダンが宇宙人を取り押さえようとした場面では胸に触らないよう気をつけていたが、「やん!やめてよ!」などと言われては触れること自体がはばかられるので、やはり少女の姿などされると地球防衛に支障が出る。
ほか序盤で隊員が出動を志願した場面で、隊長がアンヌだけ名前も言わなかったのはさすがに失礼だろうと思ったが、その後に「わが基地の誇る名医」(看護師でなく?)とフォローが入っていたので気をよくしたかも知れない。ダンからの連絡に一瞬喜んでから怒ってみせたのもこの人関係の見どころだった。その場面での「隊長がプリプリよ」という表現は古風で笑った。