1.《ネタバレ》 本話の見どころは何と言っても玲さんの浴衣姿!『古典的日本人幽霊像』に拘っている作品ですから和装は欠かせません。これがまた絶品で。ほのかに憂いを帯びた美しい笑顔に、清楚な浴衣。れにさんのファンでなくとも“撃ち抜く力”のある画だったと思います。そもそもが“成仏できない”幽霊。玲さんの人物造形に影があって当然ですが、思っていた以上に“暗め”なキャラ設定で、今回も彼女は涙を見せました。明るくおどけて見せるあたりが、むしろ不憫に思えました。最終的には笑顔で成仏して欲しいですが、果たして・・・。物語に大きな展開はなく、経緯の補完や伏線張りに終始した感のある第3話。最近流行のジェットコースタードラマと比較すると、随分ゆったりした印象です。日本様式の乗り物で例えるなら、籠か人力車ってところでしょうか。漫画制作で例えるならPCではなくGペンです。効率で劣る昔ながらの手法にも価値はある。人の温もりが感じられるやり方だからこそ、伝えられるものがある、出来ることがあると、本作は訴えかけている気がします。