1.《ネタバレ》 39~40話連続の「セブン暗殺計画」(前篇・後編)が終わって最後の第4クールに入ると、制作の自由度が高まって変わり種的エピソードが出る一方、回数稼ぎのような気の抜けた話もあったりして良否の差が大きくなるが、この41話は残念な方である。
今回の宇宙人と怪獣は名前が出ない。怪獣のデザインは一般公募だったそうだが、頭部がカッパ風という以外は元の絵と似ても似つかなくなっている。
宇宙人は、わざわざ来たからには何か目的があったはずだが結局不明に終わっていた。具体的にやっていたのは①湖の魚を捕り尽くした、②近隣の鶏小屋からニワトリを全部持ち去った、③人間1名を殺害した、④飛来したウルトラホーク3号をいきなり攻撃したといったことで、それほどの脅威でもなかったようでもある。地球侵略を企てていたとの証拠もなかったが、地球側としては③④あたりで危険と断定して撃滅してしまったようで、宇宙からの頻繁な侵略で危機感が高止まりする劇中世界では無理もないことではある。
物語としては「日本カッパクラブ」会員のカッパへの思いが中心になっているが特に面白くはない。漫画家はカッパを超自然的な存在と捉え、またSF作家は宇宙人だと主張して対立していたが、しかしカメラマンは実はどうでもよく、例えば単にSF作家との個人的関係でついて来ていただけかも知れない。ラストのカメラマンのどうでもいい台詞は、もうそういう "男のロマン" になど付き合いきれないというようでもあり、人が死んでいるのにまだそんなことを言っているのか、と呆れていたとも取れる。
死んだ男も店名がカッパというだけで実はそれほど関心がなかったのを、店に出入りしていたマニア連中に引っ張られて来ただけだったかも知れない。この男は災難だった。
その他の注目点として、最後にダンとアンヌが湖にボートを走らせるなど、シリーズ終盤に向けて2人の親密さを強調した場面が入れてある。中盤でアンヌが「本当にカッパがいるっていうの?」と言って「うふふ」と笑う場面は悪くなかった。ダンは宇宙人であるから、カッパが実在するかについて人類(日本人)のような予断はなかったかも知れない。