1.《ネタバレ》 学生の頃にレイプをうけたトラウマがある女刑事姫川玲子が率いる警視庁捜査一課の姫川班の活躍を描いた刑事ドラマ。ちなみにタイトルのストロベリーナイトは、この連続ドラマが始まる前にテレビ放送された特別編に登場した闇サイトの名前であり、これは姫川がレイプの時に見た月の色にもかかっている。ただ、この連続ドラマでは、その闇サイト事件は一切出てこないので、このドラマから見たら、なんで、こんなタイトルかちょっとわかんないかも。このドラマで面白かったのは、警察内部の描き方。営業マンが営業成績を競うように、誰が事件の手柄を取るかを競争のように描いている。だから姫川の口癖も「このヤマ絶対取るわよ」。例えば、他の班が他の事件かかりっきりで、姫川班の担当する事件に関わってこないように、「その事件の捜査長引け!」と祈る姫川とか、捜査会議で、質問はないかと言われて、我先に手を上げて、質問をした後、私、いい質問した的にドヤ顔になる姫川なんかは、まるで成績を競う学生が授業を受けて、先生や周りに一目置かれる質問をしたった風な感じで、この事件捜査の競争表現が観ていてなんか新鮮で面白い。各登場キャラもそれぞれに個性的で、特に一番ドラマを面白くしているキャラは、武田鉄矢演じる勝俣班の勝俣主任。通称ガンテツ。登場時は怪しい音楽がなり、一匹狼的で、事件解決のためには手段を選ばない冷酷な面があり、たまに姫川班の捜査と衝突したりする。でも事件解決能力はかなり高く、そのために姫川が助かったりしちゃうこともあり、ドラマ全体にピリリとした緊張感を生み出す。姫川のナイト的存在である姫川班のエース菊田なんかも面白いキャラ。菊田と彼女の関係性なんかは、攻殻機動隊の草薙とバトーの関係にちょっと似ている。そばにいるんだけど恋愛に発展することはなく、でも一番信頼が置けて理解しあってるみたいな。で、解決する事件そのものは、1~3話で解決するもので、よくあるドラマ全体に通じた事件とかはない。でも各事件、結構切ない話が多く、特に最終エピソードの、ソウルケイジはあまりにも切なすぎて号泣ものでありました。親と子が最終エピソードのテーマであるが、それはそのまま姫川と母のぎくしゃくした関係にもつながり、事件のオチのつけ方とか、姫川と母のオチのつけた方とか、何度も違う種類の涙があふれてきて、数あるドラマの中でもベスト10に入るくらいのお話でした。この後に続く映画はイマイチやったけど、その後にまたテレビ放送の特別版があり、そちらは各刑事のオムニバス的な感じなんだけど、その最後のガンテツのエピソードでは、このドラマ版で回収されなかった伏線があって、なんかモヤモヤしていたら、そっちでちゃんと回収されてて、しかもガンテツかっこえーーーし、ドラマ版が気に入れば、そちらもおススメです。