1.《ネタバレ》 NETFLIXとBBCの共同制作ということで堅苦しい時代劇を予想していたのですが、これがスピーディーな展開で見せるライトな作風であり、全8話をサクっと見ることができました。とはいえ、ブリトン人・アングロサクソン・バイキングの関係性や、アルフレッド王の史実上の功績が頭の片隅にないと何の話をしてるんだか分からない部分もあり、中世以前の英国史の勉強をさせられてこなかった日本人にとっては厄介な題材であることに変わりはありませんが。私は第一話を見終わった時点でwikipediaを見に行きました。
主人公はサクソン人の出自だがバイキングとの生活で人格形成されており、どちらの社会においてもよそ者扱いを受けてアイデンティティに苦しむ・・・のかと思いきや、何事にも動じない大胆な性格と、どこに行っても仲間がおり、行く先々で恋に落ちるというリア充ぶりから、悲壮感は物凄く少ないです。わずか8話中でヒロイン格の女性が3人も次々に登場し、それぞれとマジ恋愛するという中世のジェームズ・ボンドぶりは只事ではなく、かつ、どの恋愛も悲しい結末を迎えるものの、すぐに次の恋が起こるから重くなり過ぎないというロマンスパートの味付けはかなり独特でした。
戦闘パートは素晴らしい迫力だし、アングロサクソンとバイキングの戦い方の違いも視覚化されていることから、情報量が多くて楽しめました。毎回のように山場が設けられているというサービス精神も嬉しく、NETFLIXの安定した仕事が光っています。
問題点は、英国史上に燦然と名を残すアルフレッド王のカリスマ性がやや不足していたことと、宗教の扱いに不整合が見られた点です。キリスト教に対してはやたら批判的な姿勢をとる一方で、ケルト人の土着宗教は普通に奇跡を起こしたりと、宗教を否定したいのか肯定したいのかよく分からない点がマイナスでした。あと、アルフレッドの奥さんウザすぎ。