1.《ネタバレ》 登場人物は全員キャラが立っているし、複数エピソードを同時進行させるという構成をとりながらも、そのすべてのエピソードが面白いという神業的な内容となっており、このseason1を基礎として長期シリーズ化したことにも納得がいきました。
金に絡んだドロドロを題材としつつも、時に人間の良い部分を見せるという匙加減も素晴らしく、特に久美子と健介のエピソードにはかなり感動させられました。高額に膨れ上がった借金の返済ができなくなった健介は、恋人の久美子を沖縄の風俗に売るか、自分自身がロシアンマフィアに売られて漁船で死ぬまで働かされるかの選択を迫られ、久美子を売るつもりで彼女の部屋を訪れます。すると、前々から自分が欲しがっていた高額なスニーカーを誕生日プレゼントとして久美子が買ってくれていたことに気付き、自分の不義理を反省。健介は黙って漁船に乗る道を選択しました。ゲスな人間が人間性を垣間見せる一瞬の輝きほど美しく感動的なものはありません。本作は、そうしたものがちゃんと描けているので素晴らしいのです。