1.《ネタバレ》 多少の中弛みが気になったシーズン3の反省からか、本作は怒涛の展開の連続で度肝を抜かれました。しかも話の風呂敷の広げ方がうまいために「そんなアホな」と思わせないギリギリのところで踏み留まっており、そのバランス感覚は見事なものでした。「フランク大統領・クレア副大統領のアンダーウッド夫妻政権を目指します!」など現実的にはまったくありえない話なのですが、視聴者が理解可能なイベントの積み重ねの末にこのトンデモ展開を受け入れさせてみせた力技に、本作のショーランナーであるボー・ウィリモンの非凡さが表れています。
シーズン3では鳴りを潜めていたパワーゲームも本作では復活。まず、シーズン3の敵であったヘザー・ダンバーを、フランクの身に起きた不幸を逆手にとって葬り去り、続いて共和党大統領候補ウィル・コンウェイとの一騎打ち。またこいつがフランク並みの腹黒さであり、キツネとタヌキの化かし合いがとにかく熱くて面白くて最高でした。
細かい点では、数シーズンお休みしていた懐かしのキャラクターの再登場等、本シリーズが持つ資産が実に効果的な形で再利用されているという点にも感心させられました。豪快な展開の中にも細かい技が光っており、今のところの最高傑作はこのシーズン4だと思います。