1. 彼女が成仏できない理由 [1話]
《ネタバレ》 (注意)私の本ドラマについての感想は、毎回ほぼ『高城れに』さん一色になるものと思われます。あらかじめご了承ください。 まずはW主演のひとり、『高城れに』さんについて説明させてください。れにちゃんはアイドルグループ『ももいろクローバーZ(通称:ももクロ)』で『紫色』を担当するメンバーで現在27歳。好感度の高さはグループ内随一であり、他のメンバー推しのファンでも、彼女を嫌いな人は誰もいないと断言できる愛されキャラであります。得意分野はバラエティ。映画や舞台・ミュージカル等、演技経験が無いワケではありませんが、TV連ドラ主演は初ですし、何より今回はホームではなくアウェイの戦いです。私(=ファン)としての本音は、期待半分、心配半分といったところ。とはいえ、ももクロが目指すアイドル像は、ライブ・バラエティ・演技何でもOKのトータルファイター。いや、生き様がドラマのプロレスラー。ももクロを存続させ続けるためにも、個人のスキルアップは必須と考えます。このタイミングでの対外試合は願ったり叶ったりでしょう。第1話をみる限り、笑顔の鬼が、最大の武器である愛嬌を封印していました。これは女優としての真価が問われるガチンコ勝負。ファン以外の一般客を如何に魅了できるかの戦いです。『女優・高城れに覚醒!』となる作品となりますことを、心より願っています。第1話はプロローグ。状況設定の紹介と登場人物の顔見せがメインのため、作品の評価は保留とさせてください。 [テレビ(日本ドラマ)] 6点(2020-09-14 18:22:51) |
2. 彼女が成仏できない理由 [2話]
《ネタバレ》 高城れにさん演じる幽霊は、黒髪ストレートロングの細身女性です。別にギャルやゴスロリ、ラッパーやユーチューバーの幽霊が居てもよい訳ですが、国際色豊かなキャラを揃えたが故に、あえて『古典的な日本人幽霊』に拘ったものと推測します。この古風な幽霊像にれにさんがぴったり。彼女が所属するアイドルグループ『ももいろクローバーZ』内では、破天荒で人懐っこいキャラとして認知されているれにさんですが、本質的には繊細な内面を持ち、我を前面に出すタイプではありません。そんな彼女の現実世界でのギャップ(=ある種の危うさ・儚さ)が、成仏出来ない「小鳥遊怜」にシンクロしているような気がします。もちろん役作りで別人になりきるのが女優ですが、持ちうる素養を活かすこともまた大切な技術と考えます。幽霊の正体が判明し、いよいよ本格的に物語が動き始めた第2話。これかられにさんが、どんな「小鳥遊怜」を見せてくれるのか、楽しみで仕方ありません。 [テレビ(日本ドラマ)] 7点(2020-09-23 21:10:08) |
3. 彼女が成仏できない理由 [3話]
《ネタバレ》 本話の見どころは何と言っても玲さんの浴衣姿!『古典的日本人幽霊像』に拘っている作品ですから和装は欠かせません。これがまた絶品で。ほのかに憂いを帯びた美しい笑顔に、清楚な浴衣。れにさんのファンでなくとも“撃ち抜く力”のある画だったと思います。そもそもが“成仏できない”幽霊。玲さんの人物造形に影があって当然ですが、思っていた以上に“暗め”なキャラ設定で、今回も彼女は涙を見せました。明るくおどけて見せるあたりが、むしろ不憫に思えました。最終的には笑顔で成仏して欲しいですが、果たして・・・。物語に大きな展開はなく、経緯の補完や伏線張りに終始した感のある第3話。最近流行のジェットコースタードラマと比較すると、随分ゆったりした印象です。日本様式の乗り物で例えるなら、籠か人力車ってところでしょうか。漫画制作で例えるならPCではなくGペンです。効率で劣る昔ながらの手法にも価値はある。人の温もりが感じられるやり方だからこそ、伝えられるものがある、出来ることがあると、本作は訴えかけている気がします。 [テレビ(日本ドラマ)] 7点(2020-09-28 18:52:50) |
4. 彼女が成仏できない理由 [4話]
《ネタバレ》 物語が煮詰まってきた感のある第4話。ハイライトは、幽霊(玲)とゴースト(ライター)の対面シーンです。ゴーストの「生きてる方が勝ちなんですね」の強烈な一言が玲のハートを抉ります。自尊心を傷つけられ、心が折れる玲。ゴーストが退出したあと体育座りで向きを変え、玲は自らの心の内をエーミンに吐露します。この演技がもう絶品で。僅かに引きつる左眉。この微小な表情筋の使い方を意図して出来たのであれば天才ですし、偶然だとしても玲になりきっていた証。いずれにしても見事に玲の心を表現していたと思います。れにさんが、はっきりと女優として才覚を示した意義ある回でした。森崎ウィンさんの力み過ぎない演技もいいぞ! [テレビ(日本ドラマ)] 7点(2020-10-05 18:49:21) |
5. 彼女が成仏できない理由 [5話]
《ネタバレ》 劇中漫画『氷の武将』における『信長の首』の件を、小鳥遊玲から元アシスタント(現ゴースト)への作品移譲とリンクさせる等、なかなかテクニカルな脚本でした。先の感想でも述べた通り、刺激的急展開やダイナミックな動きこそ無いものの、緩やかに、そして心の機微を丁寧に描く脚本に好印象です。主演2人の自然な演技も素晴らしい。今シーズン大ヒットを記録した『半沢直樹』とは逆ベクトルにある静かなドラマ。いろんなテイストがあるかから面白いワケで。私はカノブツを断然支持します。さて次回は最終回。物語の着地点や如何に。 [テレビ(日本ドラマ)] 8点(2020-10-12 14:37:11) |
6. 彼女が成仏できない理由 [6話]
《ネタバレ》 最終話残り時間10分まで『真相』が明かされぬ展開にやきもきしましたが、見事などんでん返しでした。作中漫画『氷の武将』ネーミングの秘密、アパートの室温12℃『冷却=熱を奪う』の意味、第1話冒頭シーンの謎など、様々な伏線が綺麗に回収されていく様に感心することしきり。何という多幸感あふれるラストでしょうか。まるで、本作ヒロインの高城れにさんが所属するアイドルグループ『ももいろクローバーZ』のライブに参戦した時と同じ。詳しくは全体感想にて。 [テレビ(日本ドラマ)] 8点(2020-10-19 20:02:30) |