1. アイリスへの手紙
決して大傑作ではない。地味で淡々としてて、平凡ですらある。ベスト10にも入らないだろう。でも、ナマジなベスト10映画よりも大事にしたい映画です。デニーロ版「学校」という趣もあるかな?図書館で文盲だったデニーロが大声で聖書を読む場面がとてもいい。ジワ~っと来ます。 8点(2004-08-19 22:28:02) |
2. アメリカン・ヒストリーX
平和ボケの日本人に、この映画を問うことの虚しさを踏まえた上で傑作と胸を張って言います。暴力と憎悪は何も生まないのは事実だが、その無意味な物が威力を発揮するというおそろしさにも目を向けないと駄目だと思います。デレクの憎悪と凶暴性は他人事ではない。全然タイプが違うけど金八先生の中で、金八先生がこう生徒達に言ったことがあった。「確かに彼は悪です。どうしようもない悪です。でも、悪とは何ですか?どこに行けば悪はあるんですか?商店街ですか?警察ですか?病院ですか?違います。私達、一人一人の中に悪はあるんです。先生の中にもあります。つまり悪と戦うということは自分の中の悪と向き合うということなんです」。イラク空爆に触れてた方がいたけど、この空爆(というより戦争でしょ)の最も、恐ろしいポイントは、双方が自分を正義だと信じて疑ってないこと。真の悪は、往々にして善?の姿で現われることもある。最初は誰にもわからない。正体を現した時は、もう間に合わない。この映画は、確かに救いのないラストであるが、それでも描かれてるのは人間性と理性への希望であるのは間違いない。また同時に、それが暴力であろうと、殺戮であろうと、憎悪だろうと、愛だろうと、何だろうと人間は何か信じる対象が必要で、それほど人間はか弱い生き物なのだということも語っている。そこにこの映画の奥深さがあるのでしょう。今時の中高生にこれを映画鑑賞会で見せたらいいと思うよ。真剣にそう思います。 10点(2004-08-13 13:17:25) |
3. アポロ13
ちょっと長すぎるが、ロンハワードは、どんな題材でも手堅く、ちゃんと最後まで見せてくれる。語り口が巧みなんだろうな。でも、「たとえ洗濯機に乗せてでもわたしが必ず救ってみせる」と静かに言い切るお婆さんにみんな喰われた感アリ。あとエドハリスが良い!男だぜハリス!あと地味だけど、乗組員の一人ビルパクストンがいい芝居してる。この人、侮れないよ。もっと注目されていいバイプレイヤーだと思うぞ。 8点(2004-05-05 17:54:21) |
4. アニマル・ハウス
傑作!現在のハリウッドでコメディを撮れるのは、ロンハワード、ロバートゼメキス、そしてこのジョンランディスくらいだろう。日本では当たらなかったらしいが、俺が劇場で見た時、みんな腹をよじって笑ってたぞ。早すぎた映画かもしれない。「アメリカン・グラフィティ」の見事なパロディとしても秀逸。そして、何と言ってもジョンベルーシが大暴れしてるのが嬉しい。もう止まりません。早死にしたのが、つくづく悔やまれる。それにしても、ベルーシ、ゼリーを一口で食うなよ。 10点(2004-03-14 00:23:06) |
5. アイズ ワイド シャット
これが遺作というのは、何とも残念。キューブリックも年にゃ勝てんかというのが実感。彼の性的妄想を映像化したら、こうなったという映画かな・・・・。またカメラマン出身のこの監督が、ストーリーテラーとしては意外と凡庸だったということを証明した作品でもある。やはり物を創る人間は、あまり長いインターバルをとると、早く衰えてしまうんだな・・・・。できるだけ、絶えず創ってないとね。 6点(2004-01-02 23:03:14) |
6. アバウト・シュミット
くどい演技で辟易させられることの多かったジャックニコルソンが、この映画では実に抑制されたいい演技をしてくれます。こんな普通のおとっつぁんもできる人だったんだと感心。「あんた、やったら出来るがな」と、そのことを突っこみたくなった。ロードムービー好きの僕には嬉しい映画。何もかも上手く行かないんだけど、それでも生きてるのも捨てたもんじゃないよって言われてるようでいいなあ。ラストのジャックの涙には、やはり胸がグッとなった。あの涙が、この映画の言いたいことの全てなんだな・・・・。あんな、ちょっとしたことで、人間なんとか生きていけるんだよ。そうだよな・・・・。 9点(2003-12-19 23:42:26)(良:1票) |
7. アナライズ・ミー
なかなか、いいじゃない。強面だけど、どっか憎めないデニーロ親分。ビリークリスタルって達者だね。オスカーの授賞式でも思ったけど。 7点(2003-11-21 01:57:59) |
8. 悪魔のいけにえ
中学生の時、予告編で見て、すごいショックを受けた。ずっと後、ビデオで見た。凄まじい力業のホラー映画。低予算、ノースターキャストが功を奏して、異様なリアリティがある。ザラツイタ映像も圧巻。見てはいけないものを見たような気持になった。 10点(2003-10-31 01:42:53) |
9. アパートの鍵貸します
小道具の使い方の巧みさ、筋の運びの巧さ、暖かい笑いの裏に潜む苦い孤独、粋なラスト。ワイルダーだもの。これが映画というものです。 10点(2003-10-25 00:34:23) |
10. アンドリューNDR114
同様のテーマを扱った映画としては、スピルバーグの「AI」より断然いいと思う。 8点(2003-10-24 23:33:46) |
11. I am Sam アイ・アム・サム
この手の映画って、どうしても意地悪に見られてしまうんだなと、ここでのいくつかのコメント見て実感しました。チャップリンの「キッド」が下敷きになってると思うんだけど、これを見て偽善だとか、許せないとか、腹が立ったとか、いろいろ酷評があるけど、どこがどう何故偽善なのかは誰も言わないんだよね。7歳の知能しか持たない男が子育てなんかできるはずがないという僕らの決め付けそのものが、すごい差別だと思うけど・・・・。僕は実際に知的障害の人達のケアをする仕事をさせてもらった経験があるけど、重度はともかくサムくらいの人なら、ちゃんと働いてる人もいるし、自分で生活費を稼いでいる人は存在します。どういうわけか、甘いとかお涙頂戴とか、いわゆる健常者が言うんですよね。実際に重い障害を持ってる人の意見をこそ聞いてみたいな。 8点(2003-06-13 22:38:31)(良:1票) |