1. アルゴ
《ネタバレ》 何と言っても「事実に基づいて作られている」ということが、この映画の緊迫感にリアリティを与えていると思います。多少の脚色はあるにしても、イラン革命の雰囲気や当時のアメリカ社会の状況、危機に対する国家の中の人間臭いドラマ等々非常に興味深かったです。イランの人々の描き方については、完全に上から目線で、アメリカという国が持つ世界観を見せてくれていますね(狙ってるのかどうかは知りませんが)。 「アルゴ作戦」自体が荒唐無稽で粗く、フィクションであればおそらくコメディタッチで処理するしかないような代物なので、なぜこの作品が成功したのかという裏側を想像するのも一つの楽しみかもしれません(アメリカが大統領選挙の最中であったことだったり、後にイラン・コントラ事件が発覚するなど、いろいろ想像のネタはあります)。 映画の作りも、まるで70年代後半から80年代前半の雰囲気に満ち溢れていて、まるで当時の作品を観ているかのような気になりました。 終盤の展開は当時の解放に対する熱狂とその裏側が描かれていて、「我々が真実だと思っていることは、実は作られた真実なのかもしれない」とちょっと考えさせられましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-02 07:46:43) |
2. 雨に唄えば
《ネタバレ》 心が晴れやかになる傑作ですね。数々の名曲と華麗なダンスがふんだんに使われ、まさに「ザッツエンターテイメント」といった感じです。無声からトーキーに主力が移りはじめた頃の映画界の舞台裏をコメディタッチで描いているのも興味深いですね。 [地上波(字幕)] 8点(2013-06-22 16:15:56) |
3. ANPO
《ネタバレ》 戦後の日本が、実質的にはアメリカの支配下にあり、日米安保による米軍庇護の下で高度成長を成し遂げていったことが良くわかるドキュメンタリーでした。 何というか、闘うアートの数々がその複雑な事実を我々に訴えかけてくるようで非常に興味深かったです。 アーティストの一人が「日本は戦争責任の追求を連合国に任せてしまい、日本人自身が行わなかった」と語っていましたが、このような複雑な状況に陥った一端は確かにこういうことなのかなと感じましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-25 23:02:46) |
4. アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
《ネタバレ》 あの華やかな80年代のHR/HMブームをリアルタイムで経験していた者にとっては、懐かしさを感じさせられるばかりでなく、「それなりに名を知られたバンドであっても・・・・・」という感じで人生の厳しさを痛感させられる映画でしたね。それだけに、夢を諦めずにロックし続けるアンヴィルのメンバーの姿には感銘を受けましたし、リアル「スパイナル・タップ 」のようなクライマックスには涙が出てきました(日本のメタルファン最高!) [DVD(字幕)] 9点(2010-08-13 14:43:41) |
5. アバター(2009)
《ネタバレ》 一言で言えば「凄い映画」。とりあえず技術面では現時点の最高峰であることは間違いありません。今を生きる映画ファンならば必ず観るべき映画だと思います。それも映画館に足を運び3Dで観ていただきたい。まさに映画史上に残るエポックメイキングな作品です。 ストーリーも、アメリカ的思考のみならず全世界に対する警告を発しているようで非常に興味深かったです。ジブリがアニメーションという手段を用いて訴えているテーマを、ジェームズ・キャメロン は3Dと緻密なCGを用いて描いているといった感じですね。 まあ、地球に生きる人間のはしくれとしてちょっと複雑な気持ちになるようなところもありましたが、多くの人に体験してもらいたい映画でした。 [映画館(吹替)] 9点(2010-01-31 01:18:43) |
6. アフター・ザ・レイン
《ネタバレ》 まあ、結末がわかった状態で観始めたので、前半の明るさが非常に切なかったですね・・・・・。まるでジェットコースターが急降下する前にゆっくりと坂を上昇していく時のような雰囲気でした。 主人公のダークサイドに落ち込んでいく精神状態の描写や音楽の使い方など、監督のこの映画に対する思いが伝わってきました。ただ、いかに作品として良く出来ていたとしても、主人公の選んだ行動に同情は全くできないし不快感しか残りませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-16 18:27:57) |
7. アクロス・ザ・ユニバース
《ネタバレ》 ストーリー自体はとってつけたような感じのものですが、映画全体ではビートルズの曲のメッセージ性を上手く表現できていますね。メロディやサウンドだけでなく、歌詞についても巧みに作品の中に盛り込んであって楽しかったです。 ビートルズの素晴らしさ、偉大さが伝わってくる映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-03-31 19:22:09) |
8. アナライズ・ミー
《ネタバレ》 まあ、ハチャメチャですけど、デ・ニーロが自らのイメージをパロディ化しているのが面白かったです。でも、マフィアの世界で命を狙われるくらいの存在になると、精神的に不安定になるのは理解できますけどね・・・・。まあ、そこはやはり「男の世界」ということなんですかね。 [地上波(吹替)] 7点(2009-02-15 21:10:40) |
9. アメリカン・ラプソディ
主人公のジュジ、育ての親、実の親、それぞれの気持ちが本当に痛いほど伝わってきてとても切ない気持ちになりましたね。東西冷戦時代という今から思うと不思議な時代が作り出した哀しい物語です・・・・。 スカーレット・ヨハンソンやナスターシャ・キンスキーの演技も良かったですけど、ジュジの幼少時を演じた子役の演技がとても素晴らしかったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-29 20:40:47) |
10. アトミック・カフェ
《ネタバレ》 衝撃的な作品です。この作品で取り上げられている映像は、全てニュース映像や軍や政府の広報フィルムだと聞いて非常に滑稽に感じ、そして恐怖を感じましたね。 とりあえず、日本は第二次世界大戦終結以降戦後であったのに対しアメリカに戦後は存在していなかったということと、アメリカの思想が正しいから日本に勝ったわけではなく、ただ戦力(原子爆弾など)の差で勝っただけだという事が良くわかる作品でした。 非常に貴重な映像を見ることができました。そして、こんな連中に広島・長崎のたくさんの尊い命が非人道的な手段によって奪われたのかと思うと怒りが湧いてきました。 [地上波(字幕)] 8点(2007-08-06 20:20:26) |
11. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 何というか30代半ば過ぎ、独身、1人暮らしの人間としては、いろいろと考えさせられる事が多い作品でしたね。一人一人が自分の「島」を持つってセリフとか、本当に共感してしまい、ちょっとヤバいかもしれませんが・・・・。 それ以外にも、片親の問題とか学校でのいじめの問題とかいろいろと重いテーマが取り上げられていますが、主人公と少年が問題を克服していく姿がコメディタッチで描かれているので、暗くなりすぎることがなく、観終わった後爽快な気持ちになりました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-05-23 18:44:38) |
12. アンタッチャブル
《ネタバレ》 いやあ、素晴らしい娯楽映画でした。まさに、「男の映画」って感じですね。(ていうか、ほとんど女性が出てこない、まるで宮下あきらの世界です。)とにかく、キャスティングが豪華で尚且つ素晴らしいし、ブライアン・デ・パルマ監督の映像美もとても映画の世界に合ってましたね。 とりあえず、マフィアの殺し屋はどこに行った?と聞かれて、「車の中だ」とケヴィン・コスナーが答えるシーンはシビれました。 [地上波(吹替)] 8点(2007-02-19 19:10:43) |
13. 赤ちゃんはトップレディがお好き
非常にテンポが良く、楽しい作品でした。ストーリー展開はありがちなものでしたが、ダイアン・キートンの魅力が全面的に押し出しされています。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-18 21:18:50) |
14. UPRISING アップライジング<TVM>
この作品テレビ映画のようですが、中味は映画に勝るとも劣りません。ワルシャワ・ゲットーでのユダヤ人レジスタンスの闘いを迫力ある映像で描いています。 ただ、ドイツ兵の描き方が「いかにも・・・」という感じでしたけど。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-17 23:31:28) |
15. 愛と追憶の日々
豪華キャストによる、昼ドラという感じでした。まあ、とにかくシャーリー・マクレーンとデブラ・ウィンガーの演技が素晴らしかったです。正直、この2人でなければ最後まで見れなかったかもしれません。しかし、あのジャック・ニコルソンの腹は役作りの賜物なんでしょうかねw [ビデオ(字幕)] 6点(2006-08-24 10:30:19) |
16. あなただけ今晩は
《ネタバレ》 マンガみたいな展開でしたね。肩の力を抜いて見れる楽しい作品でした。良い意味でくだらないですけど、クオリティは高いです。(変装したジャック・レモンが地上に登場するシーンや喧嘩のシーン等ではセンスの良さが光っています。) ラストシーンのオチは本当に秀逸ですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-26 10:14:32) |
17. 或る夜の出来事
初めて見たのに、そんな感じが全くしないのは、この作品に影響を受けた物語がいかに多いかということの証ではないでしょうか?最初は反発しあいながらも、徐々に惹かれあう主人公の2人の軽快なやり取りは見ていてとても楽しかったです。 ラストの展開も「こう来たか!」と思わせるもので、非常に良かったです。 まだ見てない方は、予備知識無しで見てみて下さい。とても楽しめる作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-16 11:15:24) |
18. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 ジャックレモンの軽妙な演技も素晴らしいですが、シャーリー・マクレインのエレベーターガールに非常に惹かれてしまいました。彼女の作品は、「スイート・チャリティ」しか見たことないんですが、全然イメージが違いますね。 しかし、この作品で描かれているサラリーマン社会の状況は、現在の日本でもそんなに変わってないですね。今から46年前の作品だというのに・・・・・・。まあ、会社勤めをしている者であれば、ほとんどの方がジャック・レモンに共感できるのではないでしょうか・・・・・。ただ、現実に同じ状況になった場合、私だったら会社に残ってそのまま地位にぶら下がっていると思いますが。 テニスラケットでスパゲッティの湯切りをしているのには笑ってしまいました。ラストも良い感じですし、まさにコメディ映画のお手本といえる作品です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-06-04 19:17:50) |
19. アリス(1990)
《ネタバレ》 大人の童話といった感じの作品ですね。透明人間になったり、空を飛んだりと中々ファンタジックでした。ドクター・ヤンはまるでドラえもんのようでした。 上流社会の婦人が、結婚生活や人生に疑問を持ち東洋的なものと出会うという点では、フェリーニの「魂のジュリエッタ」と似たような設定ですね。(両方とも主演は監督の奥さんですし。) まあ、自分を抑えて何不自由ないリッチな生活を送り続けるのか、それとも多少不自由はあるけれども自分らしく生きていくのか、選択するのは中々難しいですね。この作品で主人公が選んだ道も映画のストーリーとしてはありだと思うのですが、では自分がその立場に立った時に同じ道を選ぶかと言われると、たぶん選ばないと思いますね・・・・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-14 21:08:51) |
20. あの頃ペニー・レインと
《ネタバレ》 この作品は60~70年代ロック好きにはたまらない作品ですね。レッド・ツェッペリン、ザ・フー、デビッド・ボウイ、ブラック・サバス等々の名前が出てくるだけでゾクッときました。1973年はまだ生まれてまもない頃なので、当時の雰囲気を少しではありますが知ることができて良かったです。 まあ、当時のロックアーティスト達のツアーはハチャメチャで数々の伝説が残ってますが(レッド・ツェッペリンが、日本でもホテルで大暴れしてた武勇伝なんかは結構有名ですよね。)、この作品を見るとやはりいろいろ大変だったんだなと思いました。 私自身も、音楽ジャーナリズムに憧れた時期もあったので、この映画で描かれている内幕的なものはとても興味深かったです。(ファンの延長では駄目なんですよね・・・・・・) 最後の方で、レッド・ツェッペリンの「タンジェリン」が流れるシーンがとても印象的でした。(ツェッペリンはⅢが一番好きなんで・・・・) 『トミー』を聴けば、未来が見えてくる…。すごくわかります! とても爽やかな気分にさせてくれる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-05-01 23:05:44) |