81. 幸せの始まりは
無駄に豪華なスタッフの布陣が逆の意味で気になっていたのだが、危惧どおりというか、個々の持ち味が全然生かされていません。登場人物はみんなでああだこうだと悩み続けているのですが、その思索の中にもさして目新しい点がなく、悩みのための悩みになってしまっています。大体、こんなうじうじした役にリースってのが、そもそも合ってないでしょ。 [映画館(字幕)] 4点(2011-02-25 00:32:41) |
82. 小説家を見つけたら
《ネタバレ》 どうみても、バスケットにウェイトを割きすぎではないのか?主人公は、隠遁した作家の生活を覆すほどの文学に対するセンスなり情熱があったはずであって、そうでないと話の前提が成り立たない。その辺にもっと時間を割いてほしいところでした。アンナ・パキンも、ストーリー上さして機能していないのがもったいなさすぎる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-02 01:48:05) |
83. シンデレラマン
あまりにもストレートすぎて、中身が印象に残りません。同じような演技の同じようなシーンが繰り返されている感じ。尺もここまで長くいらなかったのでは? [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-16 00:31:55) |
84. ショウほど素敵な商売はない
画面が華やかで、歌と踊りも迫力があるのはいいのだが、問題は、歌は歌、それ以外はそれ以外、と完全に分かれてしまっていること。つまり、歌というのがこの家族の日常業務の状態を表しているだけになっていて、家族の状況やそれぞれの心理を表現する手段にはなっていないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-30 00:35:34) |
85. 紳士は金髪がお好き(1953)
マリリン・モンローをただ可愛く撮っているだけではなく、その天然キャラの素養を上品に引き出したところにこの作品の価値がある。見ているだけで楽しくなってくるカラフルな色彩構成も強力。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-27 04:07:15) |
86. 幸せのレシピ
ラブロマンスらしからぬ暗く陰鬱な雰囲気が漂っているが、話の前提としての主人公の神経質さと人嫌いぶりに立脚すると必然的にそういう結果になる。しかし、そうなるとヨーロッパ版のオリジナルには勝てないわけで、あえてリメイクした意味がない。いっそ、脳天気に明るく楽しく決めてしまった方がよかったのでは?とも思う。ただし、こっちの見所は、アビゲイル・ブレスリンの優れた安定感であり、この部分はオリジナルより上。あと、それとは別に、料理の撮り方がオリジナルに比べて雑なのが気になった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-25 23:09:24) |
87. 紳士協定
描写自体は至って観念的であり、楽天的とすらいえるかもしれないが、この作品に強烈な印象を残しているのは、なりすましの案を思いついたときの一連のペックの演技。それが、設定に溺れないある種の生々しさをその後まで残している。それと、作品テーマの本質をついたタイトル(邦題も含め)が見事。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-18 01:08:09) |
88. 史上最大の作戦
豪華キャストはそれを揃えるだけじゃなくって、きちんと使いこなさないと意味がないんです。音響や美術関係などはこれでもかというくらい凝っていますが、中身としてはドラマもなければ表現もないといわざるをえません。まさしくアメリカの物量作戦方式を象徴するような作品です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-12 05:03:29) |
89. シンシナティ・キッド
単にポーカーで大物と勝負するというそれだけの話なのだが、余計なところに視点を飛ばさず、ひたすら勝負の場面に集中しているのがよい。とは思いつつ、あまりにもそのままの描写をそのままやっているような部分もあって、映画を見ているのか、単にポーカーを横で見ているのかが最後の方は分からなくなってくるのも事実。アン=マーグレットの存在感は、いい花を添えていると思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-28 01:25:24) |
90. ジャック・フロスト/パパは雪だるま
《ネタバレ》 雪だるまともなると表情も動作もまったくないわけで、そりゃ主人公としては難しいよね。周りのリアクションとかでそれを引き出せればよいのですが、そこまでの脚本にはなってません。ところで、驚愕したのは、ジャック・フロスト・バンドのギタリストが、トレヴァー・ラビン御大その人であったということ。もっと映して下さい。ギターソロも弾かせてあげて下さい。 [DVD(字幕)] 5点(2009-09-02 02:33:31) |
91. シン・シティ
これって、構図も視点も何もない単なるべた塗りのイメージ映像と、演技の手間を省くだけのしつこいナレーションが詰め込まれているだけなのでは?こういうのは映画とは言わないんじゃないでしょうか? [DVD(字幕)] 3点(2009-08-21 01:31:30) |
92. シングルス(1992)
キャメロン・クロウの作品って、どうにも人物造形が観念的というか、頭の中で考えただけという感じがして、ただ「描かれているだけ」にしか見えないのです。この作品でもそれは同じ。なので、何か新しい雰囲気を狙っている風でありながら、終わり方も含めてすべて予定調和にしか感じられません。それと、小汚さとか粗雑さがウリのグランジ・オルタナの世界には、ブリジット・フォンダはまるで合わないのでは? [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-28 03:39:03) |
93. 幸せのちから
《ネタバレ》 この主人公の出だしは確かに不幸なのだが、それは、金がないから不幸なのではなく、旦那の収入がないのを面と向かって平気で罵倒するような配慮のない家族がいるのが不幸なのです。その辺がごっちゃにされているので、出発点に説得力がありません。また、その後努力して採用に至る過程がこの作品の焦点なのでしょうが、知識や技術を取得する中で存在するはずのディテールや専門概念を省略しているため、その部分にも現実味がありません。それと、全財産21ドルから立ち上がるとかキャッチにあったような気がするけど、これって全財産が21ドルになるまでの方が大半を占めてない? [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-03-09 02:31:26) |
94. ジャッキー・ブラウン
タランティーノならではのダラダラした会話術はなかなか心地よいのだが、その点を取り払うと、骨格はありがちなコン・ゲーム系でしかなく、作品としてのスリリングさはそんなにあるとはいえない。俳優陣では、ロバート・フォスターとブリジット・フォンダは意外なほどこの雰囲気にはまっているが、キートンとデ・ニーロは本領発揮の場面がなく、無駄遣いだった気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2009-01-04 04:08:27) |
95. ジーザス・クライスト・スーパースター
《ネタバレ》 オルガンやパーカッションやホーン・セクションの使い方など、バリバリの初期70'sサウンド炸裂の楽曲群でまずKOなのですが、それらにヴォーカルの分担やコーラスなどのアレンジを施すことによって、きちんとミュージカルの表現手段として機能しているのが素晴らしい。また、不毛の荒野をどこまでも撮りきっていく映像の迫力も十分です。宮清め事件はまるでヤクザの殴り込み、他方最後の晩餐は意表を突いてフォーキーな音楽を施したハイキングのランチ風味など、主要な場面に演出のこだわりがあるのも嬉しい。プールサイド(?)のデブオヤジは余計だったと思いますが。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2008-09-22 02:34:56) |
96. ジェニファーの恋愛同盟
86年という青春映画の1つの全盛期なのに、このつまらなさにはびっくりした。明るく楽しく弾けるわけでもなければ、真面目にしんみりさせるわけでもない。あってもなくてもいいようなやりとりが淡々と重ねられているだけです。登場人物は盛りのついた若者たちなんですから、通常はほっといても面白いことをしそうなもんなんですが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-08-22 03:27:16) |
97. ジェイコブス・ラダー(1990)
《ネタバレ》 オチの手前まではそれ自体が錯乱映像みたいな脈絡のない展開が延々続いていただけで、オチがどうであろうがその時点で大幅減点。比較されるであろう幽霊ものと比べると、ラストに至るまでの部分でほとんど工夫がないのが難点です(「あちらの方」は、例えオチの手前で終了させたとしても独立して作品として成立するくらいの作り込みを行っていました)。ブレイクする前の初々しいマコーレー君に3点。 [DVD(字幕)] 3点(2008-08-05 02:12:28)(良:1票) |
98. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 十代の妊娠というテーマ設定はあくまでも出発点であり、そこからきちんと登場人物の心理の行方を追っているのが良い。特に、困難な状況の中でも、一見して無軌道で礼儀知らずに見えつつも実は真摯に誠実に状況に向き合っている主人公のキャラクターが魅力的。また、演技面では、頭良さそうな中にも弱さや心の揺れを表現しているジェニファー・ガーナーの貢献が大きいと思う。義母や親友のさりげなくも確実なサポートの立ち位置もいい感じ。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 01:59:43) |
99. 7月4日に生まれて
《ネタバレ》 主人公に起こる出来事の描写が平々凡々で、目新しさを感じられないのが難点。家族の下に帰ったその日に狙ったような無神経な発言でいさかいが起こる、なんてあまりにそのまんますぎでしょ。そもそも雰囲気が普通のホームドラマみたいで、戦闘の心の傷や後遺症というものも感じられない。エディ・ブリッケルの「激しい雨が降る」の名カバーに5点(本人登場にびっくり!)。 [DVD(字幕)] 5点(2008-06-08 04:25:28) |
100. 白いカラス
《ネタバレ》 過去と現在の重心の置き方が不安定、ホプキンス視点かと思っていたら突然第三者の作家の視点になる切り替わりも不安定、ホプキンスとキッドマンという不釣り合いな、かつ持ち味を生かすことのできないミスキャスト。せっかくの素材がぐしゃぐしゃにされています。これだけのキャストを入れておいて、みんなが同じような喋り方で同じような演技をしているのも不思議。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-05-23 02:38:33) |