61. ヒート
《ネタバレ》 最初に見たときは、平坦で異様に長いという感想しかなかったのです。しかし、数回見て良さが分かりました。全体に特徴的なのは、「ちょっとした手がかりで瞬時に状況を判断して行動する」という演出が多用されていること。僅かな物音で仕事を中止するデニーロ。銀行前で車に乗る寸前、視界の端の動きで即座に銃撃に対応するヴァル・キルマー。アシュレイ・ジャッドの一瞬の手の動きだけですべてを察知するヴァル・キルマー。騒ぎの中で道端に止まっている車を見ただけで、デニーロの存在に勘づくパチーノ。そういった地道な(それでいて格好良い)積み重ねがあるからこそ、カフェ対決や街中の銃撃戦などのメインの場面も光ってきます。そうそう、港湾の倉庫地でデニーロの作戦を(そして実力も)看破するパチーノというのも忘れがたいですね。これこそがプロの闘いです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2003-07-07 02:58:57) |
62. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 中盤の「世界ひっくり返しシークエンス」の迫力は、さすが職人ロン・ハワード。そこから、さらに過酷な課題が主人公を待ち構えていました、という構成と見せ方もなかなか。と、計算された技巧としては堪能できるのですが、それを超えた感動があるかというと、案外そうではなく。特に、ラストをノーベル賞スピーチで締めてしまったのは(およびその前のボールペンのくだりも)、すべてを丸く収めた感があふれてしまって、かえって醒めるのです。あと、幻覚や治療の関係に力が入りすぎて、肝心の彼の数学者としての才能を見せる場面があまりなかったのも、ちょっと残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2003-07-01 00:56:34) |
63. ビッグ・ヒット
ここまで各種取りそろえた阿呆馬鹿展覧会映画も珍しい。登場人物の中に、まともに会話をしたいという気になる人が1人もいません。コメディチックな部分についても、まったく笑えません。 1点(2003-04-29 23:12:31) |
64. 羊たちの沈黙
《ネタバレ》 原作に負うところ大とはいえ、あのガラス越しの対面はやはり名シーン。会話の背後に思索と背景をぎゅうぎゅうに詰め込んで、ぎりぎりのところで言葉が対決する。無駄な動作を一切断ち切った静寂が引き起こす恐怖感。そのような表現方法を映画という手法で提示したところに意味がある。中盤もじわじわとしたスリルを滲ませながら進行するが、収束の描写がちょっと安直だったのは残念。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2003-02-21 00:21:16) |
65. 陽のあたる教室
良心的な作品だとは思いますが、展開が単調で話の山場がないので、途中で飽きてしまう危険性があります。心に残る作品ではあります。 5点(2003-02-09 20:29:18) |
66. 美女と野獣(1991)
まさに直球ど真ん中のハッピーエンドアニメ。余計なことをしていないのがよい。たまにはこういうのを見て、基本を思い出さないといけない。 [DVD(字幕)] 6点(2003-02-09 00:08:23) |