1. マグノリア
《ネタバレ》 僕が群像劇というものを見たことがないからなのかもしれないが、これは稀に見る傑作だと思う。登場人物が多いのではじめは少し困惑するものの、少しずつ絡み合ったストーリーはそれぞれがとても魅力のあるものだし、はじめからどんどん見入ってしまい3時間という時間の長さをまったく感じさせない。そして、全員が繋がったことによって起こるある種の“奇跡”…あれが意味不明だという人も居ると思いますけど、意味なんてないですよ、あれには。ただ、劇中の主人公たちはそれぞれ苦悩を抱えている、しかし、あの摩訶不思議な出来事を体験する事によって、自分たちが今悩んでいる事はこの不思議の世界ではまったく小さな事だと認識させるある種の“浄化の雨”のようなものなんですよ。それに(どなたかも仰っていましたが)ああいった事例は実際にも報告されているため、まったく在り得ない事ではないんですよ。僕はこれまでに数多くの映画を見てきましたが、これほどまでに人生に希望を与えてくれた映画は【グランド・ホテル】【素晴らしき哉、人生!】そして本作【マグノリア】この3本だけです。 10点(2003-07-30 21:10:57) |
2. 魔人ドラキュラ
今でこそ色んな「ドラキュラ映画」が世に氾濫してますが、その元祖であり代表格がこの「魔人ドラキュラ」でしょうね。↓ビンクさん、エスねこさんも仰ってますが、BGMはほぼ皆無、しかしそれが帰って余計におどろおどろしだを倍増させていますし、冒頭のドラキュラ城に向かうシーンの、単に暗いだけではなく、不気味なうねりを見せる雲や見るからに不吉そうなドラキュラ城の佇まい、ロンドンでのドラキュラの根城等、じわりじわりと恐怖感が倍増してきます。そして何よりも、ドラキュラ役のベラ・ルゴシ。実に品がある。かと思えば、この世のものとは思えないような恐ろしい形相に変わったり(特に鏡を叩き落す時の一連の動作はもう見ていて只ならぬものを感じました)、この圧倒的な演技力はまさに脱帽です。今のように派手な動きもなければ不死身性もそれほど感じませんが、その代わり、闇の貴族の真の姿がここにはあります。 8点(2004-11-15 03:41:56) |
3. マルコムX
《ネタバレ》 同じ時期の活動家のキング牧師に比べて日本ではいまいち認知度が低いような気がしますが、そんなかれの反省を知るにはもってこいな気がします。 序盤はどこぞのギャング映画よろしく展開しますが、刑務所に収監された後からいよいよ本番という感じ。 過激な発言で有名ですが、彼らの置かれた状況ならばしょうがないのかな、とも思ったり。 脚色もあるでしょうが、見応えたっぷりの作品でしおた。 [DVD(字幕)] 7点(2022-01-07 02:23:54) |
4. マリグナント 狂暴な悪夢
《ネタバレ》 正直言うともう少し殺人描写にジャーロ的な派手さを求めていたのだけど、それでも十分に面白い作品でした。 自作の凶器、革手袋、ロングコートにロン毛というインパクトあるいでたち、周りの景色が腐敗していき殺人現場と同化する演出、後半の大虐殺と下手なアクション映画よりもスタイリッシュな殺陣と、ジェームズ・ワン監督がこれまでに撮ってきた作品の総決算と言わんばかりの作風はとても楽しかったです。 悪性腫瘍をとらなければ!のセリフで大体双生児系とは気付くとは思いますがまさかの張り付き具合の衝撃度はピカイチ。 ジャンル映画としてとてもよくできた作品だと思います。 ちなみにタイトルは凶暴ではなく「狂暴」、、、。 [映画館(字幕)] 7点(2021-11-13 21:16:07) |
5. マーヴェリック
《ネタバレ》 西部劇プラスポーカーというこれまた変わった(恐らく)要素が含まれてますがそれはそれでなかなかなもの。前半はポーカー大会に出場するための参加費を手に入れるために奮闘するマーヴェリックですが、遠回りしてるとはいえそれぞれの見せ場がやっぱり凄い。6人の盗賊相手にマーヴが早撃ちで立ち向かうシーン、「撃たれちまうよ~」とか言いながら正確無比な銃さばきで彼を援護する親父(何で親父がいるかは映画を見てネ 笑)がこれまたダンディー(笑)【駅馬車】を彷彿とさせる馬から馬へのジャンプやその後主人公3人で歌うアメイジング・グレイス等々…そして後半のポーカー大会。やはりここが一番の山場。優勝がかかった試合、スペードのエースを引いてロイヤル・ストレート・フラッシュを引けるかどうかというこの緊張感は一度でもポーカーをやった人なら絶対わかるはず(そうそう出るもんじゃないけどネ 笑)そしてその後のどんでん返しに次ぐどんでん返し、作品通して常に相手の裏を読むというこの設定がなんともいえない。ラストのマーヴの「何とかなるさ」な笑みとカントリーアメイジングがこれまた心地よい雰囲気をこの映画に与えている。気軽に、そして少し頭も使う実に愉快な映画だった。 7点(2004-04-16 19:06:31) |
6. 真夜中のカーボーイ
60~70年代に作られたニューシネマというジャンルの映画は、表向きは軽快な旋律にのせて人の生き方を描写してますが、その実態というのがみな陰気なものばかりですね。まあ、社会からドロップアウトした人々の生き様を描く事により、どん底に居ながら必死に生き、這い上がろうと努力するところにある種の生きる活力を感じさせられると思います。【卒業】のダスティン・ホフマンの演技力も手伝って今見ても全然古さを感じさせない作品ですし、結果は決して救われるものではないにしろ、自分の人生を自分のやり方で生き抜こうとする主人公や、どん底にいながら夢を追い続ける事によって人生に意味付けをする相棒の生き様など、人生の1つの生き方を物語っている作品だと思います。 7点(2003-12-13 04:14:58) |
7. 真昼の決闘
実際の決闘シーンは短いし特にこれといって派手というわけではないんですが、劇中の時間と実際の上映時間が上手くリンクしている事が凄いですね。そして、主人公の保安官の人物描写や市民の反応などが良く描けてると思います。 7点(2003-12-10 01:00:36) |
8. マスク・オブ・ゾロ
バンデラスカッコイィ~!ホプキンスもなかなかイケてたし、ファイトシーンもなかなかなもの。“Z”の文字に斬るところもかっこいい~。 7点(2003-10-13 04:19:46) |
9. マチルダ(1996)
《ネタバレ》 ※2021年8月24日更新 とっても笑えるコメディ。実は高校の時、これのノベライズ版(原作の方ではない)を英語の授業で読んだのが知ったきっかけ、なのですが、とにかくマチルダが可愛い。そして大人たちの良い加減さ(笑) 両親はマトモに描くと完全に虐待なのですが、それを嫌味な笑いにするギリギリのラインですし、校長に至ってはもはや「んなわけねーだろw」といいうレベル。 ある意味、怖い先生をコメディ風に脚色し、さらに「子どもから見たらこんな感じ」をうまく表現しているのではないでしょうか。 聡明なマチルダですが、時々年相応の無邪気な笑顔を見せてくれ、変にませすぎていない点も面白く観られるポイントでした。 [地上波(吹替)] 7点(2003-10-06 18:30:09) |
10. マトリックス リローデッド
<ネタバレあります>話の内容は前作よりも複雑になったが、それ以上に全てにおいて前作を大きく上回っている。まず印象に残るのが、皆さんも知っての通り、新たに開発された“ヴァーチャル・シネマトグラフィ”によって描き出される“元”エージェントこと100人のスミス君とネオとの壮絶なバトルシーン。次から次へと襲い掛かってくるスミス君を“真・三国○双”バリのアクションで迎え撃つ、その映像たるや正に圧巻。その他、モーフィアスは斬鉄剣(?)片手に車を一刀両断、前作よりも更にアクションが増えてます。白いロング・コートとグラサン、プラチナブロンドのドレッド・ヘアが特徴的な双子のオカマちゃんもといザ・ツインズ(はじめ、スミスが女性になったのかと思った…)は壁などを通り抜ける圧倒的な能力を見せ付けながらも、爆発で吹っ飛ぶとはずいぶんあっけない最期を迎える。フリーウェイでのカー&バイク・チェイスは確かに今まで誰も見たことがないような迫力だし、スミス君は現実世界に華々しくデビュー(?)してるし、ネオはスーパーマンやってるわトリニティとの恋に暴走(そこまではしてない)するわで、とにかく前作とはスケールが違う。ただ、予言者に会う前の戦闘は、ただアクションを見せるために入れたおまけのように見え、イマイチそのシーンの必然性にかけるシーンが多々あるのもまた事実。ストーリーの方も、最初に書いたとおり、前作が娯楽映画的な話だったのに対し、マトリックスの設計者に会い、救世主も実はシステムによって操られていたといった事実がわかるなど、一気に複雑でシリアスな内容になっているので、前作のような楽しみ方はちょっと出来ないかもしれない。ただ、作品単体としてみれば十分いい出来だと思うし、深く考えなければそれなりに楽しめると思う。 7点(2003-06-08 19:51:54) |
11. マニアック・コップ
当初は“地獄のマッドコップ”という凄まじい邦題が付いてましたね。しかも“悪魔の赤ちゃん”のラリー・コーエンと“死霊のはらわた”のブルース・キャンベルがかかわってるなんて。なので内容も、全国のお巡りさんが眉間に皺を寄せる内容。そりゃ、市民を守る立場にある人が人を殺すんだもの。しかしその斬新なアイディアには目を見張るものがある。 7点(2003-05-26 20:21:14) |
12. マスク(1994)
感じとしてはアメコミの実写版といったところですか。なので例によってストーリーは皆無。この手のものに理解を示さない人にはとんだ駄作として見えるんじゃないでしょうか?そりゃそうだよ、アメリカ人の持つ陽気さとかそういうのを前面に押し出しているんだから。そう見えても仕方ない。しかしあのマスクの正体が北欧神話のロキを模った物なんて、それはそれで納得するしかない。それ以上の説明でてこないし。神話を通して何が言いたかったかはわからないが、この作品全編をを通して言っている事は何となく解る。人間は誰しも見えない仮面を被り、本当の自分を隠している。もし、その仮面が外れることがあるなら、そのときはその人の人格が破壊され、本当の自分が現れる時であろう。そう、正に、マスクマンとなったイプキスのように… 7点(2003-05-26 20:03:48) |
13. マウス・オブ・マッドネス
日常だと思っていたのにいつの間にか非日常の世界に入り込んでいる、という何ともいえないホラーのテイストが盛り込まれている。やっぱりホラーって言うのはこうでなきゃ。結末も後味悪いしGOOD。 7点(2003-05-25 03:26:39) |
14. マトリックス レザレクションズ
《ネタバレ》 1作目の続編という触れ込みでしたがしっかりと三部作の続編です。 マトリックスといえばストーリーで見せる、というよりは最先端の映像技術とスタイリッシュアクションが売りの作品、そう考えると本作は、非常に微妙、アクションも同様のものが氾濫している昨今においては、もはやこちらがパk、オマージュしてるのでは?というものになってしまっているのが悲しい所。 続編としてみても、全三部作を観ていること前提なので、1本の作品として非常に微妙な出来で、正直コレガ「マトリックスの続編じゃい!」と言われても、「そんなバカな(笑)」という印象です。 ですが、個人的には、学校の友達みんなして弾丸避けやカンフーの真似をしていたいわゆるド直球世代なので、同窓会映画としては「懐かしいな~」という妙な安心感があったり、ワーナーの名前を出して「望まない続編を無理やり作らされる気持ち」を皮肉っていたりと、そういう部分ではとても単染めたのも事実。 まどろっこしいですyが、1作目にあった「本当にこれは現実かどうか?」という演出や、冒頭がそのまんま1作目のシークエンスなので、そうしたところでもなつかしさが感じられました。 カンフーについても、以前はいまいちだなと思っていた部分はあったのですが、今回は「ジョン・ウィック」などの肉体アクション映画を撮ってきているせいか、以前よりも「ダメージがありそう」な殺陣が多かったように感じます。 大絶賛、とまではいきませんが、こういう続編もありなのか、という意味で、楽しい作品でした。 [映画館(字幕)] 6点(2021-12-19 14:45:49) |
15. マスター・アンド・コマンダー
《ネタバレ》 まるでプロモーション・ビデオの如く「俺がラッセル・クロウ様だ。文句あっか?」と言わんばかりに終始画面に出ずっぱりなラッセル演じるオーブリー船長の勇姿に惹かれて見た…訳ではなく(笑)ただ単にナポレオン戦争の時代が舞台だからっていう理由で見たんですが、予告編のようなシリアスな映画ではなく、随分と陽気でのほほんとした映画でした。やっぱり海ってのは男のロマンですね。一面に広がる海原を進む帆船とか見てるだけで血が沸き立ってきますが、ストーリーは少し単調ですね。盛り上がりがそれほどあるわけでもないし、話自体が普通すぎますから。なので作品自体は5点ですが、あの、「何とかなるさ」的なエンディングがより一層“男のロマン”を感じさせてくれるものだと思ったのでおまけして6点。 6点(2004-08-15 10:23:16) |
16. マルコヴィッチの穴
《ネタバレ》 入るだけで15分間ジョン・マルコヴィッチになれる穴w見つけるってのが凄く斬新というか、凄くシュール。第一7と2分の1階って時点で物凄いシュールだし。でも、いいのは前半まで。後半からはなんかもっと展開がどうでもよくなってくる。他人の一体になって自分自身を再び見つめなおすといった展開になるかと思いきや、まるで違う方に飛んでいくから、少し期待外れ。でもなかなか楽しめる作品でもあった。中盤で、本人が穴に入って、全員がマルコヴィッチな世界になるところは物凄いシュールな映像。 6点(2004-03-30 14:33:53) |
17. マッドマックス サンダードーム
いや、“サンダードーム”てあまり関係ないじゃん!はめられた…前作、前々作は好きだけどこれは今までと趣が違って云うかマッドマックスじゃなくてマッチョマックスになってる~!でも、それでもサンダードームでの死闘や最後のチェイス・シーンなんかも見ごたえあるからそんなに損もしてない…かな。ティナ・ターナーは強い姉御を好演してましたな。 6点(2004-02-01 23:36:06) |
18. マイ スウィート ガイズ
同じジムに所属するボクサー同士、しかも親友という設定から、試合はおおかたこんな結末になるんじゃないかと思ってたら、やはりその通りだった。前半のロードムービーのようなシーンは結構いいものの、そこで終わりにしておけばよかったのに試合シーンまで入れて…しかも、ただ試合を写すのならまだ親友(ライバル)だからこそ本気で闘うという熱い友情を感じられたのに、優柔不断とも取れる恋人の存在によってそれも見事に打ち砕かれた。それがなけりゃ結構良かったのになぁ…しかもルーシー・リュー、彼女の存在はいったいなんだったんだ…?まあ、それほど損はしなかったが、もう少し何とかなったんじゃないかなぁ… 6点(2003-10-29 03:14:38) |
19. マトリックス
今でこそ様々な作品のその技術を流用され、目新しさは感じないが、アメリカ映画にワイヤー・ワークとVFXの融合という新たな可能性を打ち立てた記念すべき作品。恐らく、普通の人が見てもそのストーリーを全て理解するのは難しいでしょう。何を隠そうこの映画、カンフー映画と日本アニメが大好きなアメリカのウォシャンスキーなる兄弟が作り上げた“オタク映画”で、なんとなくジャパニメーションのような雰囲気が漂っているのは、甲殻機動隊やAKIRAなどに強い影響を受けているからです。ファイト・シーンに至っては、本場の中国と比べると足元にも及びませんが、“スピード”で一躍有名になったキアヌ・リーヴスを初めキャリー・アン・モス、ローレンス・フィッシュバーンなどの役者が体当たりの演技をしているという点では斬新です。名作か?と聞かれればば往年の作品から見れば、決して“良い”とは言えないものの、映画史に新しい風を吹き込んだ記念すべき作品なんで、1度は見ておいて損はないでしょう。 6点(2003-03-26 18:03:53) |
20. マイ・ライフ(1993)
いい話なんですけどあまり泣けませんでした。癌なのにあんなにピンピンしてる人がいるでしょうか?しかし残された時間を精一杯生きようとする主人公には敬意を表したい。俺も、いつか自分の人生を振り返って見た時、心の底からいい人生だったと思える一生を送りたいです 6点(2003-03-23 03:53:22) |